日揮グローバルとJAPEXが進めるマレーシアのCCS事業の重要性
マレーシア・サラワク州でのCCS事業が始動
近年、気候変動問題が深刻化する中、二酸化炭素(CO₂)の排出削減が大きなテーマとなっています。その中で、カーボンキャプチャー・アンド・ストレージ(CCS)技術は、CO₂を効率的に回収し、貯蔵する重要な解決策として注目されています。そんな中、日本の石油資源開発株式会社(JAPEX)と日揮グローバル株式会社は、マレーシアのサラワク州沖において新しいCCS事業の基本設計作業を進めています。
CCS事業の概要
このCCS事業は、マレーシアから日本への国際的なCO₂輸送を含むものであり、低温・低圧条件下でのCO₂輸送を商業ベースで行う世界初の試みです。これにより、両国はカーボンニュートラル社会の実現に向けた重要なステップを踏み出すことになります。
JAPEXは、油ガス田の計画や設計、運営の経験を活かしながら、CO₂陸上ターミナル及び桟橋上部受入構造に関する技術的検討を進めていきます。これに加え、日揮グローバルはその豊富な実績を活用し、本事業の早期実現に向けた調査や設計に取り組むことになります。
FEED作業の重要性
今回の基本設計作業、いわゆるFEED(Front End Engineering Design)は、本事業における設計業務の核となる部分です。この作業を通じて、JAPEXと日揮グローバルは、CO₂受入れに必要なインフラの具体的な形を明確にしていきます。また、この工程は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との連携により進められ、さらに信頼性の高い設計が期待されます。
地域の脱炭素化に貢献
このCCS事業は、アジア地域における脱炭素社会の実現に向けた重要な試みです。JAPEXと日揮グローバルは、『アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)』の目的に沿って、2050年カーボンニュートラルの目標を支援するとともに、地域の環境に優しい社会の実現に寄与していくことを目指します。
今後、この取り組みがどのように進展していくのか、注目が集まります。マレーシアにおけるCCS事業が、国際社会におけるサステナビリティの新たな基準となることを期待しましょう。
会社情報
- 会社名
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日揮ホールディングス株式会社
- 住所
- 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1 クイーンズタワーA
- 電話番号
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045-682-1111