生成AI搭載ボイスボット導入による保険業務のDX化成功事例
日本システム技術株式会社は、保険者向け業務効率化ソリューション『iBss(アイビス/Insurers Business Support System)』において、画期的なDXを推進しています。2020年10月1日のサービス開始以来、多くの保険者様にご利用いただいている『iBss』ですが、急激な利用者増加に伴い、コールセンター業務の負担が増大していました。この課題解決のため、同社は株式会社リンクの『BIZTEL』と株式会社AI ShiftのAI Messenger Voicebot(以下、ボイスボット)を連携したシステムを導入しました。
ボイスボット導入の背景と目的
『iBss』はWEB検認システムを中心に、保険者様の業務効率化に貢献してきました。しかし、利用者の増加はコールセンターへの問い合わせ増加を招き、オペレーターの負担増大という新たな課題を生み出しました。そこで、オペレーターの業務負担を軽減し、生産性を向上させるためのソリューションとして、生成AIを活用したボイスボットの導入が決定されました。
ボイスボット導入による効果
導入効果検証のため、2024年7月22日から9月30日までの期間、前年度実績のあるA保険者様とB保険者様の2社を対象にデータ分析を実施しました。
A保険者様:
2023年:問い合わせ件数211件(電話98件)
2024年:問い合わせ件数212件(電話113件、オペレーター対応50件)
2024年は、ボイスボット導入により、オペレーターの電話対応件数が前年比56%減少しました。問い合わせ件数自体はほぼ横ばいですが、オペレーターの負担は大幅に軽減されました。
B保険者様:
2023年:問い合わせ件数383件(電話258件)
2024年:問い合わせ件数270件(電話178件、オペレーター対応87件)
B保険者様においても、ボイスボット導入により、オペレーターの電話対応件数が前年比52%減少しました。さらに、問い合わせ件数自体も減少しており、業務効率化効果は顕著です。
今後の展望
ボイスボット導入によるオペレーターの負担軽減は、他の業務へのリソース配分を可能にしました。具体的には、被扶養者資格調査の審査業務への注力により、業務の質向上に繋がっています。
日本システム技術株式会社は、今後もボイスボットの活用による解決率向上やオペレーターの工数削減に向けた取り組みを継続します。さらに、『iBss』をはじめとするサービスの改善を通して、加入者様と保険者様の利便性向上を目指し、保険業界のDX化を推進していきます。
まとめ
本事例は、生成AIを活用したボイスボット導入による保険業務の効率化を成功裏に収めた好例です。オペレーターの負担軽減、生産性向上、そして業務品質の向上という、三拍子揃った成果を上げています。今後、更なるAI技術の進化と活用によって、保険業界のDX化が加速していくことが期待されます。