在日米国商工会議所(ACCJ)と欧州ビジネス協会(EBC)による医療政策白書2013年版が、本日発表されました。この白書は、日本経済の成長を促すことを目的に、健康寿命の延長、疾病の予防・早期発見、治療の向上を求めています。
「健康寿命の延長による日本経済活性化」と題されたこの白書は、ACCJのヘルスケア委員会とEBCの医療機器委員会メンバーから提供された成功事例や科学的調査に基づいたデータで構成されています。作成には1年以上かかり、心疾患やがん、精神疾患、肝炎、結核など、36の医療分野に対する政策提言が整理されています。
ACCJのローレンス・ベイツ会頭は、「本提言が実施されれば、疾病による社会的・経済的な負担が軽減され、労働生産性の向上や就業不能状態の減少にも寄与する」と述べています。2011年の調査によると、日本では疾病が原因で毎年約3兆3000億円の経済損失が発生しています。
白書では、健康的な生活習慣の促進、ワクチン接種の拡大、リスクの高い人々に対する検査の実施、慢性疾患の早期治療など、多角的なアプローチが提案されています。また、医療従事者の安全性向上や医療関連感染防止の必要性にも触れています。
EBCのデューコ・デルゴージュ会長は、「これらの提言は日本における疾病予防と早期発見の政策転換への第一歩」と強調しました。日本の医療制度はすでに高い水準にありますが、さらなる充実が求められています。
日本の医療政策はこれまで、病気が発症してから対応する方向に偏りがちでしたが、早期発見や予防に焦点を当てることで、医療費の増加を抑えることが期待されています。ACCJとEBCが考える150以上の政策提言には、病気を未然に防ぐための具体的な対策が含まれています。
高齢化が進む中、これらの政策転換は患者の生活の質を向上させ、医療経費の削減や労働者の生産性向上にもつながるとしています。
日本の65歳以上の人口は急増しており、医療保険制度の持続可能性が危ぶまれています。そのため、健康維持、疾病予防、早期治療に重きを置く医療政策の転換が、今後ますます重要視されています。反対に、労働力人口の減少も同時に進行しているため、これらの提言の採用が重要となります。
本白書はACCJのウェブサイトからダウンロードが可能です。
政策提言の主要テーマは次の通りです:
- - 広範囲の医療テーマ
- - 疾病の経済的負担
- - 非感染症
- - 予防接種
- - 体外臨床検査
- - ヘルスケアIT
- - 在宅医療
- - 栄養補助食品
- - インフルエンザと生物災害
- - 感染症の管理
これらの取り組みが今後どのように日本経済に影響を与えるのか、多くの関心が寄せられています。