3M女性活躍推進イベント
2023-06-30 10:30:29
3M、女性活躍推進に向けたパネルディスカッションを開催~STEM分野における課題と展望~
3M、女性活躍推進に向けたパネルディスカッションを開催~STEM分野における課題と展望~
3Mジャパンは、女性がSTEM(科学、技術、工学、数学)分野で活躍できるよう促進するためのパネルディスカッションイベントを開催しました。このイベントでは、3M独自の調査結果と専門家の知見を基に、活発な議論が展開されました。
STEM分野における女性の低比率:課題と現状
イベントでは、まず、STEM分野における女性の比率の低さが問題として取り上げられました。3Mがグローバルで実施している「State of Science Index(SOSI)」調査では、日本人の84%が、女性はSTEM分野で活用されていない潜在力を持っていることに同意しているという結果が出ています。この数値は、前年から4%ポイント増加しており、この分野における女性の活躍促進に対する関心の高まりを示唆しています。
東北大学名誉教授の原山優子氏を筆頭に、パネリストらは、STEM分野において女性比率を高めることの重要性を強調しました。多様な視点を取り入れることで、イノベーションを促進し、より良い社会を実現できると主張しました。
理系進路選択を阻む要因:無意識の偏見と社会からの影響
女性が理系分野への進路選択をためらう要因として、周囲や社会からの影響が指摘されました。3Mの社内アンケートでは、理系に進んだ社員のうち、身近な人から反対された経験がないと答えた人の割合は、男性が99%であるのに対し、女性は93%にとどまりました。この差は、女性が理系分野への進路選択において、より多くの社会的な圧力や偏見にさらされている可能性を示唆しています。
原山氏は、幼少期からの無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)が、女性が理系分野への進路選択をためらう要因の一つになっている可能性を指摘しました。親や周りの大人からのアドバイスが、子供たちの進路選択に影響を与えることがあると指摘し、子供たちがSTEM分野の本質的な面白さを理解することが重要だと強調しました。
さらに、アンケートでは、理系に進んだ女性社員の54%が、「女性なのにすごいね」といったアンコンシャスバイアスを含む発言をされた経験があると回答しました。パネルディスカッションの参加者からも、同様の経験談が共有され、社会全体に存在する偏見が、女性をSTEM分野から遠ざけている現状が浮き彫りになりました。
STEM分野の魅力の発信と多様な取り組みの必要性
SOSI調査では、STEMキャリアを目指すメリットに関する質問において、日本の回答がグローバル平均を下回っていることが判明しました。「STEMキャリアにメリットはない」と回答した人の割合は、グローバル平均の約2倍に上りました。
これを受けて、パネリストらは、STEM分野の魅力やキャリアパスについて議論しました。製品開発における創造性や、研究職以外にビジネスやマネジメントなど多様なキャリアパスがあることなど、STEM分野の多様性と魅力が改めて強調されました。
また、同調査では、「科学を擁護しようとする人々に影響を与える人」として、「科学者」「企業」「メディア」が上位3位にランクインしましたが、特に「企業」を選んだ人の割合はグローバル平均の約2倍でした。
この結果を受け、企業が積極的にSTEM分野の魅力を発信していくこと、進路選択を検討する学生だけでなく、保護者にもその魅力を伝えることの重要性が指摘されました。原山氏は、社会制度、企業の取り組み、STEMへの認識、教育方法など、多角的なアプローチが必要だと述べました。
3Mの取り組みと今後の展望
3Mジャパンは、女性や女児がSTEM分野に関心を持ち、将来の選択肢を広げられるよう支援する取り組みを継続しています。「リコチャレ」への参加や、「科学における女性と女児の国際デー」への支持表明などが挙げられます。
イベントのモデレーターを務めた宇田川敦志氏(スリーエム ジャパン株式会社 コーポレートR&Dオペレーション統轄技術部長)は、今回のディスカッションを通して、アンコンシャスバイアスの存在を改めて認識し、3MがSTEM分野における多様性を促進するために、今後も積極的にコミュニケーションを続けていくことを表明しました。
3Mは、イノベーションは多様な人材の交流から生まれると信じ、今後もSTEM分野における女性の活躍を促進するための取り組みを強化していく姿勢を示しました。
会社情報
- 会社名
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スリーエム ジャパン株式会社
- 住所
- 東京都品川区北品川6-7-29
- 電話番号
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