日本の漁業は、近年様々な問題を抱えています。漁師の収入は減少し、漁業人口も減少の一途をたどっています。また、物価の高騰は販売店の利益を圧迫し、未利用魚の廃棄や大衆魚種の資源減少もきわめて深刻な状況です。こうした背景の中、ブルーフォーラムという新しい有志団体が立ち上げられました。この団体は、全国にいる約360名の漁業者が集まり、「食を守る」という目的を持っています。
ブルーフォーラムでは、漁業者と買い手をダイレクトに結ぶ新しい流通システムの構築を目指しています。これにより、漁業者は自ら価格を決定し、従来の流通形式よりも多くの収益を確保することが可能となります。漁業者の生産現場にスポットを当てることで、消費者にも新鮮な水産物を直接届ける仕組みを進めています。実際、従来の市場流通では、魚が採れてから消費者に届くまでに一週間を要することが一般的でしたが、ブルーフォーラムの取り組みにより、そのタイムラグを大幅に短縮することが実現しました。
また、ブルーフォーラムではエー・ピーホールディングスや紀文産業と連携し、未利用魚を活用した新たな加工商品の開発も進めています。日本には3000種を超える魚が存在しますが、消費者に届けられるのはほんの一部です。この未利用魚は、年間100万トン以上が廃棄されていると言われています。このプロジェクトは、こうした未利用魚を利用することで、漁業者にとっての収益向上を図りながら、一般消費者が手に取りやすい価格で美味しい魚を提供することが目的です。
具体的には、保存性の高いレトルト食品の開発が進められており、カレーや麻婆ソース、パスタソース、コロッケといった製品が検討されています。これらは、味のクオリティにこだわり、また合成化学調味料を使用しないという点でも注目されています。ブルーフォーラムが目指すのは、ただ地球にやさしい高価格な製品を作ることではなく、漁業の流通そのものを改革し、生産者、企業、消費者が安心して利用できる環境を整えることです。
ブルーフォーラムの活動を通じて、新たな漁業のかたちを実現し、未利用魚の需要を喚起することで、100万トンの廃棄ゼロを目指します。このようにして、持続可能な漁業を実現し、未来の食の安全を確保するための施策が進行中です。
会社概要
株式会社SIFOは、2017年に設立され、東京都中央区に本社を構えています。代表取締役は岡本崇司氏で、主な事業には環境に配慮したエンジンオイル「スマートオイル」の販売や、漁業者プラットフォーム「ブルーフォーラム」の運営を行っています。
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