つかこうへいの劇作、衝撃の舞台『広島に原爆を落とす日』が上演決定

2025年11月、つかこうへいの衝撃的な作品『広島に原爆を落とす日』が、9PROJECTによって舞台化されて上演されることが発表されました。この作品は、つかこうへいに師事したメンバーによって集められたグループ、9PROJECTが手掛けており、その舞台は東京都墨田区の両国シアターΧで行われます。

この舞台は、戦後80周年という重要な節目の年に上演されます。原作は1979年に西武劇場で初演を果たし、その後長らく公式な戯曲として残ることはありませんでした。物語は、主人公である日本軍の将校が、自身の愛する女性のために原爆投下のボタンを押すという衝撃的な内容です。つかこうへい自身の演出による経験がないため、非常に希少な作品と言えます。

今回公演される『広島に原爆を落とす日』は、1984年に発表された小説版に基づいて新たに脚本を執筆し、舞台化することが決定しました。脚本と演出を担当するのは渡辺和徳氏で、彼は多数のつか作品の脚色や演出に携わってきた実績があります。例えば「かけおち」や「二代目はクリスチャン」といった作品でもその才能を発揮してきました。

作品のテーマは、戦後80年という長い年月が経つ中で風化しつつある歴史的な記憶を呼び覚ますもので、現在でも続く戦争の現実に対する強いメッセージが込められています。特に原爆投下という過去の悲劇をどう描くかが焦点となります。原作からインスパイアされた新しい視点で、つかこうへいがどのようにこの物語を今に伝えるのか、期待が高まります。

脚本・演出を務める渡辺氏は、この作品への深い愛着を語ります。彼は過去にも何度か『広島に原爆を落とす日』に関与してきた経験を持ち、特に2010年の公演は、つかこうへいが亡くなる直前であり、それが追悼の意味を持つこととなった運命的な作品でした。

今回の舞台は、580ページにも及ぶ小説版をベースに、主人公犬子恨一郎の壮大なフィクションとして描きます。彼は、愛する女性を犠牲にしてでも原爆を落とす決意をする中で、「原爆は人間の正しい意思のもとに投下されるべきであり、それができるのか」というテーマが中心に据えられます。登場人物たちの見解や意見がそれを否定しつつも、つかこうへいが作品を通じて問いかけ続けた真理を映し出すことが意図されています。

公演は2025年11月21日から24日まで行われ、出演は高野愛、藤原儀輝、中村猿人などが予定。舞台監督は久保田智也氏、照明や音響などもプロの手によって演出され、全力でこの歴史的な物語に取り組むことになります。今後の公演情報やチケットなどの詳細は、公式ウェブサイトから確認できるので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。ファンの皆さん、応援する人々、関心を寄せる人々にとっても、この舞台は見逃せないイベントとなるでしょう。

チケット発売は2025年10月11日（土）10:00から開始されますので、早めの確保をお勧めします。リンクも提供された公式サイトからも簡単に手続きができます。歴史を学び、過去を理解するためにも、この機会を絶対にお見逃しなく！