金融審議会のサステナビリティ開示と保証のワーキンググループ第8回会合報告
概要
金融庁の下で設置された「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」は、2023年6月27日に第8回目の会合を実施しました。この会合は対面とオンラインのハイブリッド形式で行われ、事務局からの報告、質疑応答、さらには委員同士のディスカッションが行われました。
1. 会合の目的と背景
本ワーキング・グループは、企業がサステナビリティ情報を開示する際の基準と、それに対する保証制度の導入を目指しています。特に今後の国際的な流れに伴い、企業が適切に対応できるようにするため、開示基準の整備が急務とされています。昨年3月から始まったこの議論は、企業価値の向上に向けた金融政策の一環として位置づけられています。
2. 開示基準の適用開始時期
議論の中で、サステナビリティ開示基準への企業の適用開始時期が注目されました。特に時価総額3兆円以上の企業には2027年3月からの適用が目指されており、1兆円未満の企業についてはさらなる柔軟性が求められています。これにより、企業には十分な準備期間が与えられることになります。
3. 保証制度の導入
保証制度については、サステナビリティ情報の信頼性を高めるために重要な役割を果たすとされています。現在は限定的な保証からスタートし、今後の国際的な動向に応じて保証の範囲を広げることが検討されています。特に、第三者保証の制度については、具体的な実施計画が求められています。
4. 國際的な動向との整合性
本ワーキング・グループでは、国際的な開示基準との整合性も重要視されています。特に、ISSB基準との機能的整合性を高めることによって、日本企業が国際的に競争力を持てるようになることが求められています。最近、ヨーロッパでの動向も参照され、他国の開示政策にどのように適応していくかが議論されています。
5. 二段階開示の方式
二段階開示の方式に関しては、初期の適用においても強い制度の構築が求められます。これにより、企業が一貫して情報を提供できるよう、透明性の高い報告書の提出が期待されています。
まとめ
議論は引き続き継続される予定であり、企業、投資家、規制当局にとっても重要なトピックであるサステナビリティ開示とその保証制度について、今後の動向に注視が必要です。金融庁は、中間報告を基にさらなる議論を行い、必要な制度的対応を進めていくことになります。