オーラルフレイルの実態
調査の背景
サンスターは「オーラルフレイルケアプロジェクト」として40歳以上の男女を対象に意識調査を実施しました。この結果、オーラルフレイルの認知率は過去4年間で約17%向上したものの、実際に予防・対策を行っている人はわずか21.4%しかいないことが明らかになりました。また、全体の40.0%がオーラルフレイル予備軍という現実にも直面しています。
オーラルフレイルとは何か?
オーラルフレイルとは、軽微なお口の衰えが進行し、個人の栄養状態や精神的な健康に影響を及ぼす状態を指します。具体的には、滑舌の低下や食べ物をこぼすこと、飲食時にむせるなどの症状が現れます。これが悪化すると、体力や筋力の低下につながり、最終的には全身の虚弱状態(フレイル)につながる可能性があります。
認知度の向上と実態
調査の結果、オーラルフレイルの認知率は4年前の12.1%から29.0%に向上し、これは周知活動の成果と言えるでしょう。しかし、オーラルフレイルに対する自己認識は低く、多くの人が自分はオーラルフレイルではないと考えています。特に40代では、「自分には関係ない」との思いから、予防に取り組む人が少ないのが実情です。
予防の必要性
調査に参加した72.4%の人々はオーラルフレイルの予防や対策に意欲を示している一方で、実践している人は21.4%にとどまっています。このギャップが大きな課題であり、多くは「何をすれば良いのか分からない」との理由で行動に移せていない現状です。
具体的な対策チェックポイント
オーラルフレイルの判断基準となるOF-5というチェック項目があります。この項目に基づくと、全体で14.1%がオーラルフレイルの診断を受け、40代では33.0%が予備軍に該当します。特に「飲み物でむせる」「口の乾きを感じる」といった特徴が多く見られます。
専門家の見解
東京都健康長寿医療センターの平野浩彦先生は、オーラルフレイルのリスクは年代によって異なり、特に60代以上で顕著に感じられると指摘しています。何気ない食事の変化が口の健康に大きな影響を及ぼし、それに気づくのが遅れることが多いと注意を促します。
サンスターの取り組み
サンスターはオーラルフレイル予防に向けた啓発活動を行い、研究や情報発信を進めています。また、2024年にはスマートフォン用アプリ「おくち元気チェック」を改良し、ユーザーが気軽に自分の口の健康状態をチェックできるよう工夫されています。オーラルフレイルを自分ごとと捉えることで、実践的な予防策を講じることが期待されています。
まとめ
私たちの健康寿命を延ばすためには、口の健康を軽視せず、オーラルフレイルの予防に向けた具体的な行動を取ることが必要です。40代でも多くの人がオーラルフレイル予備軍に該当することから、早めの対策が求められます。