三遊亭圓朝の幽霊画展が全生庵に登場
東京都台東区に位置する全生庵では、落語界の大名人であり、怪談の名作を数多く生み出した三遊亭圓朝にゆかりのある幽霊画展が2020年8月1日から31日まで開催されています。会場では、著名な画家たちが描いた約三十幅の幽霊画が展示され、来場者に視覚的な楽しみと歴史的な背景を提供します。
幽霊画展の詳細
この幽霊画展は、円朝の落語だけでなく、彼自身が愛した幽霊画を紹介する貴重な機会となっています。展示される作品には、伊藤晴雨による「怪談乳房榎図」、池田綾岡の「皿屋敷」、鰭崎英朋の「蚊帳の前の幽霊」といった異彩を放つ作品がラインナップされており、全て全生庵が所蔵しています。
期間とアクセス
- - 開催日程: 2020年8月1日(土)~ 8月31日(月)
- - 開館時間: 10:00~17:00(最終入場は16:30)
- - 拝観料: 500円
アクセスは、JR・京成電鉄の日暮里駅から徒歩約10分、または東京メトロ千代田線千駄木駅から徒歩約5分と非常に便利です。
幽霊画と三遊亭圓朝
三遊亭圓朝は1839年に生まれ、1900年に亡くなった落語界の巨星です。彼は「怪談牡丹燈籠」や「真景累ヶ淵」などの作品の原作者としても知られ、演芸界全般において大きな影響を与えた存在です。特に、全生庵には円朝が生涯をかけて愛した幽霊画のコレクションが約50幅も所蔵されています。これらの作品は円朝が亡くなった後も、名跡を守る藤浦家から寄贈されたものです。
円朝はまた、山岡鉄舟によって禅を学び、清らかな心での芸術活動を追求しました。彼は「無舌居士」という名を持ち、芸術と禅を一体として捉える境地に達しました。
全生庵について
全生庵は、明治16年に建立され、国事に殉じた人々の菩提を弔うための場所です。居士との縁から、初代三遊亭圓朝の墓所が置かれ、彼の遺愛のコレクションも多く保管されています。この場所こそ、落語における円朝の偉業を感じながら作品に触れ、その深い精神性を味わうことができる貴重なスポットなのです。
最後に
新型コロナウイルス感染症に関して、入場の際には予防策が講じられ、入場制限があることをご了承ください。訪れる際は、事前に情報を確認の上、安全な利用を心がけましょう。
全生庵での幽霊画展は、落語や日本の伝統文化に触れる良い機会です。この機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。