紀伊半島地質図
2025-03-21 14:04:25

紀伊半島中央部の新地質図が持つ防災効果の期待

紀伊半島中央部の新たな地質図の発刊



国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)は、紀伊半島中央部に位置する高見山地域の詳細な地質調査から、新しい5万分の1地質図を発刊しました。この図は、1990年代から続く調査活動の集大成であり、未整備地域の地質情報を明らかにするための重要な資料となります。

地質調査の背景


紀伊半島は、日本国内でも特に雨量が多い地域であり、豪雨が引き起こす土砂崩れによる被害が特に大きくなっています。さらに、東南海地震の想定震源域に位置しているため、地域の安全を確保するためには詳細な地質情報が欠かせません。これまでの調査により、中心部の地域では地質図が整備されておらず、この新たに発行された高見山の地質図が地域の防災対策や土木工事の基礎資料となることが期待されています。

新地質図の特徴


新たに発刊された地質図には、2018年から2021年にかけて約250日間にわたる現地踏査の成果が反映されています。調査には化学分析や年代測定が含まれ、領家変成コンプレックスや領家深成岩類、そして三波川-四万十変成付加コンプレックスといった複雑な地質構造が詳細に描かれています。これらの情報は、地質災害リスクの把握や防災対策において非常に重要です。

中央構造線の役割


本地質図はまた、中央構造線と呼ばれる長大な断層線についても詳細に分析しています。この断層線は、紀伊半島を横断し、その影響は周辺の地質にも及びます。活断層ではないとされていますが、この断層から派生したものは過去の活動によって岩盤の強度を低下させたと考えることができます。

社会的な意義


本図幅は、土木や建築における資材選定や構造物設計に役立つだけでなく、学術研究の基礎資料としても価値があります。防災や減災の観点からも、詳細な地質情報を集積した本図は、地域社会が安全に生活できるための重要な情報源となるでしょう。

出版と購入


この新しい地質図は、2023年3月21日より産総研の地質調査総合センターのウェブサイトからダウンロードすることが可能です。また、提携する委託販売先を通じて印刷版の購入もできます。

研究者メンバーの紹介


地質調査には信州大学や名古屋大学の研究者たちが参加しており、各スペシャリストが協力してこうした成果を築き上げてきました。これにより、地域の固有の地質的特徴を生かした取り組みが進むことが期待されます。

結論


高見山地域の新しい5万分の1地質図は、紀伊半島中央部における防災・減災対策を強化する大きな可能性を秘めています。詳細な地質情報をもとに、地域住民や行政が安心して暮らせる環境を築いていくために重要な一歩となることでしょう。


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