多言語音声翻訳アイデアコンテストが盛況に開催
2023年12月14日、東京のTEPIAホールでは、総務省とNICTが主催する「多言語音声翻訳アイデアコンテスト」が開催されました。このコンテストは、多言語翻訳技術の普及と新しい翻訳サービスの創出を目指しています。
多彩なアイデアが集まる
今回のコンテストには、228件もの応募があり、厳正な書類審査を経て21組が最終プレゼンテーションに進出しました。審査員にはエッセイストで知られる犬山紙子さんが参加し、様々な立場の提案者たちがそれぞれのアイデアを発表しました。
受賞アイデアの中には、ライブ配信アプリに多言語翻訳技術を組み込むものや、細やかな語学学習をサポートするものなどがあります。特に目を引いたのは、災害情報を多言語で伝えるアプリや、日本料理を母国の味に翻訳する発想です。審査員からは「どのアイデアも素晴らしく、選考は難航した」とのコメントが寄せられました。
優秀賞のラインナップ
受賞した8つのアイデアは以下の通りです:
- - 加藤優弥:多言語音声翻訳アプリを搭載したゲームソフトの開発
- - 災害情報の一斉送信を考えるグループ:音声で伝達する多言語対応型防災無線アプリ「かんたん防災無線」
- - White Yellows:グローバル交流の基礎を築く「文化」と「経験」を翻訳するモデルを提案
- - キャンパスラボAチーム:日本料理を母国の味に翻訳する「味覚スキャン」
- - キャンパスラボCチーム:「NOW 訳 LIVE」ライブ配信を即時翻訳
- - 吉田菜那:スマホアプリ“Slanger”で海外でも使われる若者言葉を
- - 鶴田葵ら:言語データを蓄積・学習する母子健康手帳アプリ「Mama Supporter」
- - Shaberoo:AIメンター付き英語ボイス日記
次回イベントのご案内
来年3月14日には、「多言語音声翻訳試作品(PoC)コンテスト」が行われる予定です。このコンテストでは、実際の製品やサービスの試作品を募集し、優秀な作品には総務大臣賞が授与されます。1次審査の締切は2月6日で、審査会参加作品は中旬に発表される運びとなっています。
また、今回のアイデアコンテストで優秀賞を受賞した8作品は、次回のPoCコンテストに無審査で参加できる特権が与えられます。加えて、参加者には技術面やものづくりにおけるサポートや、最大30万円の準備金も用意されています。
多言語翻訳技術の意義
「多言語音声翻訳コンテスト」は、総務省とNICTが協力し、世界中の人々が自由にコミュニケーションできる社会を目指す「グローバルコミュニケーション計画」の一環として行われています。言語の壁を取り払い、国境を越えた交流を推進することが、今後の翻訳技術の発展において重要な課題となります。
このコンテストを通じて、新たな技術が生まれることが期待されます。これからも技術革新が進み、多様な文化が共存する社会の実現へ向けて進んでいくことでしょう。