貝印株式会社が取り組む新たな資源循環プロジェクト
貝印株式会社は、資源循環社会の実現に向けて、再資源化プロジェクトを実施しています。日本を代表するグローバル刃物メーカーである貝印は、東京都千代田区を本社に持ち、刃物を使った製品の開発と販売を行っています。最近、貝印はアミタ株式会社と鉄鋼メーカーとの共同により、刃物のリサイクルに新たなアプローチを取り入れることに成功しました。
プロジェクトの背景
従来のリサイクル方法では、金属の刃物はスクラップとして再びステンレスや鉄に生まれ変わる一方で、樹脂ハンドルを持つ刃物やパッケージに入った刀具は、廃棄物として埋め立てや焼却処理されることが一般的でした。このような状況に対して、資源循環社会の構築が求められている中、貝印は「刃物回収再資源化プロジェクト」を開始しました。
プロジェクトの概要
このプロジェクトでは、処分予定の在庫や返品品に加え、消費者から回収された刃物を取り入れています。特に、2024年6月からは毎月150kgの樹脂付きステンレス刃物鋼を、電気炉で再資源化し、自社の材料として再利用する計画を立てています。これにより、消費者は使用した刃物が再資源化されるプロセスに貢献できるようになります。
流通センターで集められた返品商品や業務用包丁などは、鉄鋼メーカーの電気炉で溶融し、再びステンレス鋼材として利用される流れが整備されています。これにより、廃棄物であった刃物が新たな製品の材料として生まれ変わることになります。
環境への影響
貝印と鉄鋼メーカーの取り組みにより、廃棄物の削減やCO2の削減など、環境面でも大きな利点が生まれます。また、消費者は使用済み刃物を手軽に回収してもらうことで、環境への意識を高める機会を持つことができます。特に、再資源化のプロセスは、イノベーションを通じて持続可能な社会の実現へ寄与しています。
今後の取り組み
プロジェクトはすでに始まっており、2024年6月からは毎月150kgの再資源化を進めていきます。今後は、ECサイトでの回収や業務用向けの使用済み刃物の回収をさらに強化する方針です。また、ホームセンターでの引き取りキャンペーンも実施し、廃棄物として処理されていた刃物が本プロジェクトの一環として再資源化される予定です。
さらに、貝印は「kai shop」といった店頭での回収も視野に入れ、資源循環社会に向けた取り組みを一層推進していく考えです。
貝印株式会社について
貝印は、1908年に岐阜県関市で創業されて以来、刃物の町としての伝統を維持しながら、カミソリや包丁、ビューティーツールなど、1万を超える幅広い製品を展開しています。また、社会貢献や環境への配慮を重視し、持続可能な企業経営を目指しています。
これからも貝印は、持続可能で循環型社会の実現に向けた重要な取り組みを続けていくことでしょう。