イオングローバルSCMとHacobuの連携
イオン株式会社の連結子会社であるイオングローバルSCM株式会社と、物流に特化した株式会社Hacobuが手を組み、物流分野における重要な課題である「2024年問題」解決に向けた新たな取り組みを発表しました。この問題は、トラックドライバーの時間外労働の上限規制が施行されることにより、深刻な運送能力の不足が懸念されています。
2024年問題とは?
2024年問題は、トラックドライバーの働き方改革に伴い、時間外労働の制限が設けられることで発生する輸送力不足の懸念を指します。この問題に対処するため、イオングループはさまざまな効率化の取り組みを進めてきました。例えば、納品時間枠の見直しや物量の平準化による積載効率の向上、AIを活用した配送計画の最適化などが挙げられます。
新たな取り組みの内容
今回の取り組みでは、トラック予約受付システムである「MOVO Berth」を活用することが焦点になります。このシステムは、トラックの納品時間を事前に予約することで、荷待ちや荷降ろしの時間を短縮し、さらに作業効率を向上させるためのデータを提供します。2024年8月末までに、このシステムをイオングローバルSCMの55施設に拡大導入する計画です。
このシステムにより、さまざまなデータが取得され、荷待ち時間や荷降ろし時間の最適化が進められます。たとえば、予約時間の調整や、作業人員の配置を最適化することで、ドライバーの負担を減らし、運送効率を高めていく方針です。
ドライバー業務の負担軽減
トラックドライバーは、運転業務だけではなく、荷物の積み降ろしや検品、伝票処理といった多岐にわたる業務を担っています。これらの業務はしばしば紙ベースで行われるため、業務負担が増加していました。イオングローバルSCMとHacobuは、この業務を効率化し、ドライバーの負担軽減に向けた取り組みも推進していきます。
今後の展望
両社は、物流分野における効率化を進めるだけではなく、トラックドライバーの労働環境を整え、持続可能な物流基盤を築くことを目指しています。具体的には、ナビゲーションシステムやデジタルツールの導入を進め、これからの時代にふさわしい運送業務のスタンダードを確立することが期待されています。
これらの取り組みを通じて、イオングローバルSCMとHacobuは、2024年以降も安定的な物流サービスの提供を続け、業界全体の発展に寄与していくことでしょう。