介護現場を支える新アプリ『クチミル』が実証実験スタート
介護や看護に従事するプロフェッショナルのために開発された口腔状態評価アプリ『クチミル』が、アサヒグループジャパン株式会社とアイリス株式会社の共同プロジェクトとして、11月から実証実験を開始します。このアプリは、特に高齢者の口腔健康を維持することを目的としており、介護現場において非常に重要な役割を果たします。
口腔健康管理の重要性
最近の研究では、高齢者の口腔状態が様々な健康問題と関連していることが明らかになっています。要介護者の多くが口腔医療や健康管理を必要としていますが、実際には多くの人がそのケアを受けることができていないのが現状です。実際、要介護者の65%以上が口腔ケアを必要とするにも関わらず、管理されているのはわずか2%だと言われています。このため、アプリ『クチミル』の導入が求められるようになりました。
アプリ『クチミル』の特徴
このアプリは、介護職員や看護師がスマートフォンで口腔内の動画を撮影し、それを基に専門家が健康状態を評価します。評価結果は自動的に報告書として作成され、介護現場における作業の効率化を実現します。また、東京科学大学大学院の松尾浩一郎教授の監修を受けており、その内容は信頼性があります。
アプリの導入により、介護職員は専門知識がなくても簡単に適切な口腔評価が行えるようになり、業務負担は約70%も軽減される見込みです。更に、今後はAI技術を用いた評価機能の実装も予定していて、サービスの品質向上や評価スピードの向上を目指しています。
介護現場の変革へ向けて
アサヒグループは、良好な口腔状態を維持するためのさまざまな課題解決に取り組んでおり、『クチミル』を通じて“誰もが食べることを楽しめる世界”の実現を目指しています。新たに設立されたFuture Creation Headquarters(FCH)では、さまざまな企業や専門家との共創を通じて新しい価値の創出に挑戦していく方針です。
『クチミル』の実証実験によって、介護現場の業務効率化や口腔健康の改善が期待されており、今後の展開が注目されます。アサヒグループとアイリス株式会社が連携して行うこの取り組みは、介護職の皆さまにとって非常に重要なものとなるでしょう。
監修者:松尾浩一郎教授
松尾教授は、高齢者歯科や病院歯科に厚い専門知識を持ち、口腔評価ツールの開発に貢献しています。教育や研究を通じて、主に高齢者の口腔健康に関して貴重な知見を提供することに注力しています。
アサヒグループとアイリス株式会社の大胆な挑戦によって、介護現場の現状が改善されることを期待したいと思います。