NTTドコモがDoppel社に出資、AI防御プラットフォームによるブランド保護
2023年、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ(以下、NDV)は、アメリカのDoppel, Inc.(以下、Doppel社)への出資を発表しました。Doppel社は、ブランドなりすましやフィッシングなどのサイバー攻撃から企業を守るためのAI防御プラットフォームを開発・提供する企業です。
サイバー攻撃の進化とDoppel社の役割
最近のAI技術の発展に伴い、ソーシャルエンジニアリングによる攻撃手法は高度化しています。特に、企業のブランドを模倣した偽サイトや、従業員や顧客をターゲットにした詐欺が増加しており、企業や個人にとって危険な状況が続いています。このような状況において、Doppel社は、幅広いチャネルを通じてこれらのリスクを早期に検出し、適切な対策を講じることが可能なプラットフォームを提供しています。
Doppel社のAI防御プラットフォームは、SNS、ウェブサイト、アプリ、広告といった多様な情報源を監視し、フィッシングやなりすまし、偽ブランドサイトなどのリスクを検知します。そして、AIが人的なミスや心理的な隙を悪用する攻撃者の手口を前もって発見し、リアルタイムで攻撃構造を可視化します。これにより、企業はシステムやセキュリティ・オペレーション・センター(SOC)と連携して迅速に攻撃を封じ込めることが可能になります。結果として、企業のブランド価値や顧客の安全が保たれ、信頼性の高いデジタル環境を維持することができます。
Doppell社の導入状況と今後の展望
すでに、アメリカの「フォーチュン500」企業のうち5%以上がDoppel社のAI防御プラットフォームを導入しており、その効果が注目されています。AI技術が進化する中、サイバー攻撃の焦点は「システム」から「人」へと移り変わっています。このため、Doppel社はソーシャルエンジニアリング対策に特化し、AIを駆使した防御の自動化を実現するプラットフォーム企業として、さらなる成長が期待されています。
NTTドコモグループの取り組み
NTTドコモグループは、通信やデジタルサービスを通じて、安心・安全な社会インフラの構築に取り組んでいます。今回の出資は、Doppel社との連携を深め、企業や社会全体のデジタルトラストを強化し、新たな価値を創出するきっかけとなるでしょう。今後の両社の協業に注目です。
Doppel社について
Doppel, Inc.は、カリフォルニア州コビナに本社を置き、ソーシャルエンジニアリング防御やデジタルリスク保護プラットフォームの開発・提供を行っています。詳細な情報は、公式サイト
Doppel, Inc. をご覧ください。