HandySPIMの革新
2025-01-29 10:40:06

光シート顕微鏡用光源HandySPIMがもたらす新たな科学の扉

革新的な光シート顕微鏡用光源HandySPIMの誕生



日本電気硝子株式会社が開発した光シート顕微鏡のための新光源「HandySPIM」が、科学の現場で新たな可能性を開いています。この新しい光源は、従来の顕微鏡に取り付けるだけで、専門的な知識がなくても簡単に高解像度の断面画像を取得できる点が特徴です。

HandySPIMの特長


新開発のHandySPIMは、以下のような様々な優れた特性を持ち、従来の光学機器に比べて大きな利点を提供します。

1. 設置の簡便さ: 一般的な光学顕微鏡に簡単に設置でき、特別なスキルが必要なく誰でも使用できます。
2. コンパクト設計: 小型で軽量のため、持ち運びが容易で、どこでも使用可能。
3. コストパフォーマンス: 安価なLED光を利用しているため、低コストで高精度な画像を提供。
4. 光学部品の革新: ガラスリボンを用いることで、従来必要とされていたレンズやミラーを排除しました。

特に、ガラスリボン導光板を用いることで、薄く均一な光を作り出し、高強度な光シートを実現。これにより、病理やバイオサイエンスの分野における研究が飛躍的に進化することが期待されています。

光シート顕微鏡とは


光シート顕微鏡は、サンプルに薄い光シートを側面から照射し、その断面画像を得る技術です。従来の機器では、レーザーを用いた大掛かりな光学装置が必要で、導入コストが高く、使用するには専門的な知識が求められました。しかし、HandySPIMによってそのハードルは大幅に低くなりました。

新しい光源は、手軽に高画質な生体組織の画像を収集することを可能にし、研究者や医療現場にとって大きな利便性をもたらします。

ガラスリボンとは


ガラスリボンは、日本電気硝子が開発した超薄型のガラス板で、厚さはわずか4~50μm。手に持てるほどの薄さで、非常に均一な厚みが特徴です。このガラスリボンは、HandySPIMでの導光板の主役を務めます。
技術的には、ガラスリボンと可視光吸収ガラスをサンドイッチ状に組み合わせることで、LED光を効果的に導光します。この技術により、従来の高価な機材と同等の品質の画像を、低コストで提供できるようになりました。

期待される展望


日本電気硝子は、HandySPIMとガラスリボン導光板の試作販売を2024年8月に開始し、2025年に本格的な製品化を予定しています。また、2025年1月にはサンフランシスコで行われる「SPIE Photonics West 2025」にこれらの技術を展示する予定です。世界各国の研究者が集まるこの場で、HandySPIMの実力を直接体験してもらうことが期待されています。

日本電気硝子は、70年を超える歴史の中で培った技術を活かし、今後も新たな製品やサービスの展開を進めていくことで、社会に貢献することを目指しています。


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会社情報

会社名
日本電気硝子株式会社
住所
滋賀県大津市晴嵐二丁目7番1号
電話番号
077-537-1700

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