ServiceNowが新たに発表した「AI Experience」
ServiceNowは、エンタープライズAIのために設計された「AI Experience」を発表しました。この新しいプラットフォームは、ユーザーに対して直感的なマルチモーダルインターフェースを提供し、人とAIのシームレスな統合を可能にします。これにより、ガバナンスやセキュリティの要件を満たしながら、データ、ワークフロー、そしてユーザーをつなぐことができます。具体的には、今後「AI Experience」はServiceNowのCRMを含むあらゆる業務フローに拡張され、営業やサービス部門の業務に変革をもたらし、顧客ロイヤルティの向上と収益の拡大を支援します。
現在、多くの企業は業務を部門ごとに分断したSaaSアプリケーションによって悩まされています。これにより、従業員は各部門で必要とされるデータにアクセスできず、分断されたツールを使用せざるを得ない状況が続いています。「AI Experience」は、データ、AIモデル、ワークフローを一つのインターフェース上に統合することで、企業がAI導入を加速し、従業員のAI習熟度を向上させる手助けをします。これにより、企業は効率的な業務運営を実現することが可能となります。
この新たなインターフェースは、音声やテキスト、画像など、さまざまな形式でユーザーとAIのインタラクションをより深めることができます。AIエージェントは、ユーザーのコンテキストを理解し、パーソナライズされた体験を提供することで、業務を効率化します。ServiceNowのエグゼクティブバイスプレジデント兼最高エクスペリエンス責任者のエイミー・ロキー氏は、現在の企業が直面しているのは業務の分断であるとし、「AI Experienceにより、ユーザーは業務の流れの中でAIにアクセスでき、業務をスムーズに進めることが可能になる」とコメントしています。
さらに、「AI Control Tower」という新しいハブも導入され、企業は内製か外部提供にかかわらず、AI資産を統制・監視・管理できます。これにより、高いセキュリティを維持しつつ、迅速なAI採用が可能となります。
新機能がもたらす革新
「AI Experience」には、さまざまな新機能が導入されます。
- - AI Voice Agents:自然な会話で情報取得やトラブルシューティングをしたり、ハンズフリーでのサポートを提供します。
- - AI Web Agents:サードパーティアプリやウェブ上でのタスクを人間から学び、自動で遂行します。これにより、煩雑なAPI連携を必要とせずに、業務効率が向上します。
- - AI Data Explorer:異なるデータソースを統合し、ユーザーがワークフローを離れずにインサイトを得られるようにします。
- - AI Lens:ユーザーが目にするあらゆる画面をインタラクションに変え、手動の作業を自動化し、迅速な意思決定を可能にします。
これにより、営業やサービス部門では、顧客のニーズに応じた迅速な対応が可能になり、人間はより複雑なタスクに集中できるようになります。AIエージェントが普段の業務をサポートするため、顧客体験も向上し、企業にとってメリットが大きいのです。
お客様の声
AdobeやEYをはじめとする企業が、この新しい「AI Experience」を導入し、業務や顧客対応の向上に寄与しています。AdobeのToni Vanwinkle氏は、ServiceNowを利用して従業員がより良いサポートを提供できるようになったと評価し、AIが新たな可能性をもたらすことに期待を寄せています。
また、EYのBrian Eble氏も、AIが業務をシンプルにし、従業員の生産性を高める役割を果たすとコメント。特に、AI Experienceが企業の業務フローに根本的な変革をもたらすことに期待をしています。
まとめ
ServiceNowの「AI Experience」は、企業にとって業務の流れを大きく改善し、顧客と密接に連携するための新しいチャネルです。従業員とAIが自然に協働できるこのプラットフォームは、未来の業務体験を再定義するものであり、企業はそれを活用することで競争力を高めていくことができるでしょう。新しいシステムの提供は2025年までに順次行われる予定です。今まさに、ServiceNowが描く次世代の業務運営が現実のものとなりつつあります。