滋賀県の建設会社が開発した画期的な雪害対策商品「腕じまん®」の裏話

雪害対策の新たな一手：腕じまん®の開発物語

滋賀県の東部、多賀町に位置する株式会社丸由は、1874年の創業以来、地域に密着した事業展開を行ってきました。瓦の製造からスタートした同社は、現在では建築や屋根工事、さらには宅地建物取引や太陽光発電工事にも携わっています。特に冬季の積雪が多いこの地域では、最近の大雪により住宅被害が頻発しており、その影響を受けた住民の不安を解消すべく、新たに開発されたのが軒先タルキ折れ防止金具「腕じまん®」です。

大雪による影響

2021年の冬、多賀町周辺では警報級の大雪が続き、多くの住宅で屋根が壊される被害が発生しました。住民からの修繕依頼が殺到し、株式会社丸由は連日対応に追われました。この時、同社の代表である岸邉由朗さんは、雪によって不安に包まれる地域の人々の姿を目の当たりにしました。「どうにかして助けたい」という思いから、屋根の破損を防ぐ新商品の開発を決意することとなりました。

商品開発の始まり

「腕じまん®」の開発の発端は、前述の大雪による被害です。特に老朽化した日本家屋では、屋根の軒先がしばしば折れ、住民が待たされるという厳しい状況下にありました。岸邉さんは「壊れることのないようなものを作ってほしい」という住民の声に応えようとしました。修繕にかかる費用を抑えるためにも、あらかじめ対策を講じる重要性を痛感したのです。

軽量で丈夫な構造

商品開発において重視されたのは、取り付けやすさと強度でした。軽量ながら、高い耐荷重性能を持つ素材が求められ、特に鉄骨建物に使用される鋼材が選ばれました。これにより、取り付けが簡単で経済的にも負担が少なくなることを実現しました。施工時には市販の耐震金物用ビスを使用でき、誰でも取り付けられるよう配慮されています。

効果と実績

実際に「腕じまん®」を取り付けた家庭からは、安心感を持てると好評を得ています。これまでに40件以上が設置されており、修繕費用の半分程度で済むのも大きな魅力です。また、地元のリフォーム補助金にも認定されたため、地域の方々にも広く利用されることが期待されています。

未来へ向けて

株式会社丸由は今後も「腕じまん®」を他地域に展開するため、展示会などを通じてPRに奔走しています。また、同社は新たに仮設足場用の屋根シート「Base101®」も開発。これにより、建設現場でのニーズにも応えることを目指しています。

このように株式会社丸由は、様々な困りごとを解決できる商品を生み出し、地域の人々に幸せを届けることを目指しています。今後の取り組みに注目です。