FARAPULSE™システムの新機能とは
ボストン・サイエンティフィックが開発した「FARAPULSE™ パルスフィールドアブレーション(PFA)システム」に、待望の新機能が追加されました。このシステムは心房細動(AF)の治療において、特に薬剤抵抗性の再発性症候性発作性心房細動に対応しています。新たに追加された機能は、1本のカテーテルでPFA治療と3Dマッピングを同時に実施できることを可能にしています。
磁気ナビゲーション機能の詳細
新しく追加された「FARAWAVE™ 2.0 NAV PFAカテーテル」は、従来の心臓マッピング技術と互換性があるため、リアルタイムでカテーテルの位置や動き、形状を可視化できる特長を持っています。これにより、医療従事者は患者の心臓の状況をより的確に把握しながら治療を行えるようになりました。
加えて、FARAVIEW™ ソフトウェアモジュールも導入されたことで、治療中のアブレーション履歴の可視化も実現しました。これにより、医師はこれまで以上に効率的で正確な手技を行うことが可能となるでしょう。
患者と医師へのメリット
東京医科大学病院の里見和浩教授は「PFAの導入により、心房細動治療の可能性が広がった」と述べています。FARAPULSEの可視化技術により、医師は視覚的な情報を把握でき、より正確な操作が期待されています。このことは、治療の安全性と効率性を高めるだけでなく、患者にとっても安心して治療を受けられる環境を提供します。
実用化と販売予定
ボストン・サイエンティフィックの社長である森川智之氏は、この新技術がすでに20万人以上の患者に使用されていることを強調し、その進化が医師の負担を軽減し、患者に最適な治療を提供することを確信しています。
FARAWAVE 2.0 NAV PFAカテーテルとFARAVIEWソフトウェアの日本での販売は、保険償還の取得後に開始されます。また、これらの製品は2024年10月に米国、2025年2月に欧州で承認される予定です。
医療業界への影響
今後、カテーテルアブレーション関連の学会でも、本製品の展示が行われる予定です。これにより、医療関係者とのコラボレーションを強化し、FARAPULSEの普及を企図していると同社は述べています。
超高齢社会を迎える日本において、心房細動の有病率は増加傾向にあり、迅速な治療手段が求められています。FARAPULSE™ PFAシステムは、電場を用いて心房の異常な電気信号を遮断し、心房細動を治療する新しいアプローチを提供しています。これにより、患者の負担軽減と手技時間の短縮が期待できるでしょう。
まとめ
ボストン・サイエンティフィックは、革新的な医療ソリューションを通じて、心疾患治療の進化に貢献しています。今後の技術革新が、より多くの患者にとって安全で効率的な治療を実現することを期待しています。詳しい情報や製品に関しては、公式ウェブサイトをご覧ください。