みなかみ町とラッシュジャパン、自然保護の新たなステップ
群馬県のみなかみ町が、ラッシュジャパン合同会社と公益財団法人日本自然保護協会との三者連携によるリジェネラティブパートナーシップ協定を締結した。この協定は、生態系の保全と地域コミュニティの再生を目的としたもので、2025年12月15日に発効され、協定期間は1年間で自動更新される。
この協力関係の背景には、みなかみ町の豊かな自然環境がある。ユネスコエコパークに登録された同町は、生物多様性の保全と再生に向けた具体的な施策として、地域資源を持続可能に利用する循環経済の実現を目指している。また、自然に根ざした社会課題解決を図るアプローチ「NbS(Nature-based Solutions)」の実施も計画されている。
協定の目的とは?
この協定では、主に次の3つのポイントにフォーカスする。
1.
生物多様性の保全・再生: 生態系の調査やモニタリングを通じて、生息環境の質向上を図る。
2.
地域特性を活かした循環経済の構築: 地域資源を持続可能に活用するためのサプライチェーンの開発を進める。
3.
自然を基盤にした社会課題解決: 環境教育の普及や水源涵養機能の強化に取り組む。
各団体の役割
- - みなかみ町: 地元住民や関係団体との連携を促進し、行政支援を提供。地域調整や政策連携を通じて取り組みを後押しする。
- - ラッシュジャパン: 自社の専門知識とネットワークを活かし、地域資源の循環利用に向けた具体的な事業活動を展開。調達と製品化の知見を活用し、社員参加による地域貢献も行う。
- - 日本自然保護協会: 専門的な科学知識を基に、生態系の保全や再生に関する助言や調査を行い、協定の質を向上させる。
提供される地域資源
みなかみ町は、美しい谷川岳に囲まれた自然豊かな地域であり、利根川の源流域に位置しています。2017年にはユネスコエコパークに登録され、持続可能な地域づくりを目指しています。町内には多様なアウトドア施設と温泉地が存在し、伝統工芸や農村文化も受け継がれています。最近では、ネイチャーポジティブの理念を政策に取り入れ、持続可能な森林管理や植生回復にも取り組んでいます。
ラッシュの取り組み
英国発のラッシュは、化粧品業界において生態系やコミュニティの再生を重視し、持続可能なビジネスを展開しています。みなかみ町から調達した豆腐や湧水は、同社の化粧品製品に利用されており、調達規模は年々拡大しています。また、地域の木屑を使用したギフト包装紙は国内外で採用され、環境保護にも貢献しています。
地域の未来に向けて
この協定の締結は、みなかみ町とラッシュ、そして日本自然保護協会の連携を通じて、地域の自然と社会の両方にとって価値ある成果を生むことを期待されています。豊かな生態系の保全活動や循環型経済の構築が進むことで、次世代に引き継がれる持続可能な地域づくりが実現することが願われます。
みなかみ町は、これからも自然との共存を目指し、地域資源を最大限に活用した持続可能な取り組みを推進していくことでしょう。