スタートアップが進める未来のまちづくり
愛知県名古屋市に本社を持つ株式会社マップフォーと、大阪市の株式会社NTTフィールドテクノが、スタートアップと自治体による新たなまちづくり支援事業「スタまち」に選定されました。この選定は2025年11月5日付けで行われ、両社は東浦町と共同事業体を組成し、地域の交通インフラに関する問題に取り組んでいきます。
1. 背景:地域課題の深刻化
愛知県では、自治体が持つ地域課題の解決に向けた取り組みが進められています。2023年度には、新たにスタートアップの先進技術を活用するための取り組みが始まり、県内の8つの自治体が参加しました。このうち、延べ121社のスタートアップからの応募があり、その中でマップフォーとNTTフィールドテクノが選ばれました。彼らが提案した事業計画は、東浦町の地域課題を解決するために評価され、採択されました。
2. 課題の詳細
多くの地方自治体では、道路設備の維持管理に必要な土木技師や予算が年々減少しています。それによって、限られたリソースで効率的な保全対応が求められています。特に、老朽化したインフラや人口減少が進む今、持続可能な形で安心・安全な道路管理を確立することが急務です。具体的には、以下のような課題があります:
- - 道路損傷や交通インフラの情報管理が統一されておらず、管理が困難
- - 対応すべき箇所の優先順位づけが複雑で、判断に時間がかかる
- - 現地確認に時間を要し、職員の負担が大きい
これらの課題は、修繕対応の遅れや職員の過重労働を引き起こし、効果的な対応を妨げています。
3. 提案事業の概要
提案では、マップフォーとNTTフィールドテクノが持つ最新の技術を活用することに焦点を当てています。ドライブレコーダーのカメラ画像やLiDARから取得する点群データを利用し、AIによる道路の劣化診断を行います。これにより、修繕対象の優先順位を効率的に決定し、道路維持管理の効率化を図ることを目指します。
4. 役割分担
- - 東浦町:全体の総括と実証フィールドの提供
- - 株式会社マップフォー:LiDARを用いた路面損傷状況の解析
- - 株式会社NTTフィールドテクノ:データ収集や可視化、受付管理ツールの開発
5. スケジュール
この実証事業は、2025年11月から開始し、2026年3月には成果報告会を開催予定です。実施に際しては、愛知県からの支援を受け、進捗管理や助言を行いながら進める予定です。
6. 会社概要
- - 株式会社マップフォー:名古屋市中区に本社を置き、高精度の3次元地図データを提供。自動運転システムのインテグレーションや、さまざまなサービスの展開に積極的です。公式サイトはこちら。
今後、この共同事業が成功することで、地域における課題が迅速に解決されることに期待が寄せられます。