大阪市で進化するAI通訳機の導入
大阪市が新たに取り入れたのは、ポケトーク株式会社のAI通訳機「ポケトークS2」とその管理コンソール「ポケトーク アナリティクス」です。これにより、全国最大規模での自治体導入が実現しました。大阪市はデジタル化の推進に取り組んでおり、その一環としてこの先進的な通訳機を導入しました。この決定は、言葉の壁を越え、さまざまな人々がスムーズにコミュニケーションをとることを目指しています。
「ポケトークS2」と「ポケトーク アナリティクス」の導入背景には、近年多くなっている外国人住民の増加が挙げられます。2021年から2024年までの3年間で、約5万人もの外国人が大阪市に住み始めているため、日本語でのやり取りが難しい市民と円滑にコミュニケーションを図る必要が増しています。このような現状の中、大阪市はデジタル技術を使った解決策を模索し、全24区役所に200台のポケトークS2を配置することを決定しました。
この新しい導入により、役所の窓口で多言語対応がさらにスムーズに行われることが期待されています。特に重要視されるのは、翻訳内容のセキュリティです。個人情報を扱う中で、安心して利用できるセキュリティ基準に従っていることが求められます。ポケトークS2はこの点でも高い評価を受けており、グローバルなセキュリティ基準をクリアしています。
加えて、「ポケトーク アナリティクス」は、ウェブブラウザーからの遠隔管理や使用状況の可視化を提供します。これにより、市のスタッフはリアルタイムで翻訳内容やデータを確認し、利用状況の分析を行うことができます。これらの機能が組み合わさることで、セキュリティ対策が強化され、管理業務も効率的に行えるようになります。
ポケトーク株式会社は、「言葉の壁をなくす」というミッションを掲げ、異なる言語を話す人々が共に理解し合える世界を目指しています。このAI通訳機「ポケトークS2」は2024年10月に販売を開始した最新製品で、90言語に対応し、音声・テキストを自在に翻訳することが可能です。これにより、視覚的な情報だけでなく、音声情報も容易に翻訳できるため、幅広いシーンで活用されることでしょう。
さらに、この新モデルはWi-Fi通信が利用できない地域でもより多くの国と地域で動作するよう改善されており、内蔵のグローバルSIMにより、170カ国以上での利用が可能です。バッテリーも大幅に向上し、長時間の使用にも対応しています。
「ポケトーク アナリティクス」についても触れておきたいところです。この管理コンソールは、導入したAI通訳機をウェブ上で一元的に管理できるツールで、使用言語や利用頻度、翻訳内容をリアルタイムで確認できます。情報管理を強化することにより、市の多言語対応ニーズに対する理解が深まり、より良いサービスを提供するための手助けとなるでしょう。
大阪市のこの取り組みは、ますます多様化する社会の中で、すべての市民がデジタル技術の恩恵を受けられるよう進められています。今後、ポケトーク株式会社はさらなる導入と使い勝手の向上を目指し、地域社会への貢献に努めていきます。