青りんごの赤化
2025-03-10 14:24:44

青りんごが驚きの赤色に!遺伝子活性化の新たな発見

青りんごが赤くなる理由を明らかにした研究



青りんごが赤くなるそのメカニズムが、千葉大学大学院の齋藤 隆徳准教授らの研究により解明されました。この新発見は、青りんごが本来持っている遺伝子的な仕組みと、育成環境の影響に関連しています。

研究の背景


りんごの果皮が赤く色づく理由は、アントシアニンと呼ばれる色素の蓄積によるものです。この色素の生成に関しては、特定の遺伝子(MdMYB1-1)が重要な役割を果たしています。通常は青りんごとされる品種でも、特定の手法を用いることで赤くなることが以前から知られていましたが、そのメカニズムは長い間明らかにされていませんでした。

研究成果


研究チームは、青りんごの異なる品種の果実に対する反応を比較しました。すると、‘陸奥’や‘弘大みさき’だけでなく、‘王林’や‘金星’でも赤くなる仕組みが存在することがわかりました。ただし、他の品種の反応性は異なり、‘ゴールデンデリシャス’や‘とき’ではほんのわずかに赤くなる結果が得られました。これは果実袋の影響によるもので、反応性は品種ごとに差異があることが確認されました。

さらに、研究の過程でMdMYB1-2やMdMYB1-3という通常は発現しない遺伝子が活性化されることもわかりました。これにより、青りんごが実は赤くなる能力を潜在的に備えていたことが示されました。果実袋がそのスイッチを入れる役割を果たすことが明らかになりました。

新たな疑問と研究の意義


この現象がDNAの突然変異によるものではないため、どのようにしてMdMYB1-2やMdMYB1-3のスイッチがONになるのかという新たな疑問が生じました。チームは、DNAのメチル化の変化が関連していることを見出し、果実袋によってメチル化レベルが低下することで、これらの遺伝子が目覚める可能性があることを発見しました。

これまで知られていなかった品種ごとの赤化の違いを世界で初めて明らかにしたこの研究は、青りんごの遺伝子を活用して商品開発の新たな道を開くものです。研究の成果は国際学術誌『Scientia Horticulturae』に2025年に発表される予定です。今後の研究では、品種間で青りんごが色づくメカニズムを解明し、未利用の遺伝子を活かした赤いりんご品種の開発が期待されています。

結論


今回の成果は、青りんごが持つ潜在的な色素生成メカニズムを明らかにし、遺伝子的な活性化によって新たな可能性を示しています。この研究は、より美味しく、美しいりんごの品種改良に向けた一歩を踏み出すことになりそうです。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
国立大学法人千葉大学
住所
千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 
電話番号
043-251-1111

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。