2024年のBtoB越境ECランキングがラクーンコマースから発表され、海外流通取引総額が昨対比で19.2%増加し、18億8千万円に達したことが明らかになりました。
この成長は、インバウンド需要の高まりや日本と海外の交流が活発化する中、日本の中小メーカーが世界に向けて製品を販売する動きが強まっていることが背景にあります。特に、経済対策として2022年10月に閣議決定された「新規輸出1万者支援プログラム」が、輸出経験のない中小企業にも大きなサポートとなり、迅速に商談や輸出活動が進められる環境が整っています。
2024年9月には、経産省から発表された「令和5年度電子商取引に関する市場調査報告書」によって、日本事業者からの越境EC購入額が中国で前年比7.7%増、米国で14.4%増といった指標が示され、今後の成長が期待されています。特に注目すべきは、人気商品が国別に異なること。多くの国で「食器」と「筆記用具」が上位にランクインし、これらが市場における重要な商品カテゴリーであることを示しています。
ラクーンコマースの調査によると、流通額の伸び率ランキングでは、タイが87.7%、韓国が67.9%、オーストラリアが54.2%という高い成長率を記録しており、日本製品への需要が高まっています。特に円安の影響や日本キャラクターの人気が寄与しているとも考えられます。
また、人気商品国別ランキングでは、台湾では食器が最も人気でしたが、渡航制限によって越境ECへの移行が起き、アパレルが選ばれるようになっています。日本のメーカーが提供する高品質な商品や、「日本らしさ」が強く求められる中、日本の手作り商品や伝統工芸品でもある食器や筆記具が多くの国で好まれている要因です。
今後注目すべきは、2025年のトレンド予測です。SD exportでは「ステーショナリー」「手芸クラフト」「カルチャー系商品」の3つのジャンルに更なる重点を置くとしています。特に日本のステーショナリーは、その機能性とデザイン性から海外市場で高い評価を受けています。
手芸クラフトに関しても日本製品が注目され、YouTubeなどのプラットフォームを通じて現地での魅力発信を行っています。一方、推し活に関する商品は、アニメや漫画の影響を受けて急成長を遂げています。2024年の1月から9月では、推し活グッズにおいて流通額が7倍に増加し、出品商品が4倍となるなど、注目される市場となっています。
SD exportは、各国の文化や商習慣に合わせたプロモーション活動や細分化されたコミュニティ形成を進めていく方針です。越境EC分野における信頼できるパートナーとして、お客様に寄り添ったサポートを目指しています。これからも日本の商品がさらに世界中で受け入れられることが期待されています。