近年の特殊詐欺やフィッシング詐欺の問題は、急速に進化を遂げています。特にトビラシステムズ株式会社が2024年7月に発表したレポートによると、これらの詐欺行為は新たな傾向を見せており、対策が求められています。以下に、詐欺電話と詐欺SMSに関する主要な調査結果をまとめました。
詐欺電話の現状
トビラシステムズのデータによると、2024年7月に登録された迷惑電話のうち、国際電話番号の割合が73.6%に達し、前年同月比で29.9%も増加しました。一方で、携帯電話番号からの迷惑電話は7.2%に減少し、逆の傾向が見られました。この変化は、特に国際電話を用いた詐欺が増えていることを示唆しています。
特に興味深い事例として、末尾が「0110」の国際電話番号からの着信が急増している点が挙げられます。これは警察をかたるオレオレ詐欺の事案であり、詐欺師が警察官になりすまして、不正利用された口座や資産の調査を名目に金銭をだまし取る手口が横行しています。このため、警察も警告を発しています。さらに、前述のように国際電話番号からの中国語の自動音声ガイダンスによる不審電話も多発しており、特に北米地域の電話番号が見受けられます。
詐欺SMSの増加
詐欺SMSに関しても、トビラシステムズの調査で興味深い結果が出ています。2024年7月に確認されたフィッシング詐欺のSMSの61.8%が金融・決済サービスを名乗るもので、特に「三菱UFJ銀行」や「東京電力」をかたるものが多く見つかりました。宅配事業者をかたる詐欺は減少傾向にあるものの、金融機関を装った手口が依然として勢いを保っています。
災害時の詐欺行為
2024年8月8日に発生した南海トラフ地震に便乗した詐欺行為にも注意が必要です。地震発生後、「南海トラフ地震災害義援金」と称した不審なメールが多数確認されており、災害発生時には詐欺が横行する傾向があります。今後も、社会情勢の変動に伴う詐欺手口には慎重さが求められます。
注意喚起と対策
これらの情報を元に、いくつかの対策が重要です。電話で金銭に関する話が出た場合は、まず詐欺を疑いましょう。また、あやしいと感じた際はすぐに電話を切り、信頼できる人や警察に相談することが勧められます。迷惑電話対策サービスを活用することも効果的です。
トビラシステムズとは
トビラシステムズは社会の課題解決に向け、特殊詐欺やフィッシング詐欺に立ち向かうための各種サービスを提供しています。約1,500万人が利用する迷惑情報フィルタサービスを通じて、詐欺電話やSMSに関するデータをリアルタイムで収集しています。詳細は公式サイトをご覧ください。
公式サイト:
トビラシステムズ