アンリツ、次世代ネットワークシステムを国際会議で公開
アンリツ株式会社は、米国テキサス大学ダラス校(UTD)との共同研究の成果として、最新のネットワークシステムを、2024年11月17日から22日までアトランタで開催される国際会議Supercomputing Conference 24 (SC24)で展示します。
このシステムは、柔軟なネットワーク構築を可能にするOpenROADMと、大容量データ伝送を実現するIPoDWDMを融合した画期的な技術です。特に注目すべきは、ネットワーク全体の制御と品質監視を同時に行うオーケストレーションシステムの実装です。このシステムによって、効率的なネットワーク運用と、将来的な自動化・自律化ネットワークの実現に大きく貢献すると期待されています。
ベンダ非依存の制御システム
本システムは、特定のベンダーに依存しない点が大きな特徴です。OpenROADM MSA(相互運用性協定)とIETF(インターネット技術標準化を推進する組織)が策定したYANGモデルに基づいて制御され、UTDが開発したオーケストレーションシステムによって管理されます。これにより、様々なメーカーの機器をシームレスに統合したネットワーク構築が可能になります。
400GテスタMT1040Aによる高精度モニタリング
デモ展示では、アンリツの400GテスタMT1040Aが重要な役割を果たします。OpenROADMシステムのAdd/Drop回線を介して配置されたMT1040Aは、高トラフィック環境下でも、IPと光伝送レイヤの品質情報をオーケストレーションシステムにリアルタイムで提供します。この情報は、通信チャネルやROADM経路の動的な変更に活用され、最適なネットワーク状態を維持するのに役立ちます。
UTD OpenLabによる相互運用性検証
UTD OpenLabは、OpenROADM MSAが定めるハードウェアとソフトウェアの相互運用性を厳格に検証し、一定基準を満たした機器に検証ラベルを発行しています。アンリツのシステムもこの厳しい検証をクリアしており、その信頼性を裏付けています。
MT1040A:高性能で携帯性に優れた400Gテスタ
MT1040Aは、B5サイズとコンパクトな設計ながら、10M~400Gまでの幅広いインタフェースをサポートする高性能な400G対応ポータブルテスタです。直感的な操作が可能な9インチタッチパネルを搭載し、現場での測定作業を効率化します。400ZR/ZR+試験にも対応しており、様々なニーズに対応できる汎用性の高さが魅力です。
OpenROADMとIPoDWDM:未来のネットワーク基盤
OpenROADMは、マルチベンダー環境での相互接続性を高めるオープンなアーキテクチャです。一方、IPoDWDMは、IPパケットをDWDM技術で直接伝送する技術で、コスト削減と効率的なネットワーク運用を実現します。これらの技術を組み合わせることで、柔軟性とコスト効率を両立した、真に次世代のネットワークインフラが構築可能になります。
アンリツの取り組み
アンリツは、本システムの展示を通して、将来の自動化・自律化ネットワーク構築への貢献を明確に示しました。今後も、革新的な技術開発と国際的な連携を通して、ネットワーク技術の発展に貢献していく姿勢を示しています。