静岡のカーボンクレジット
2024-09-02 15:38:36

静岡県での農業によるカーボンクレジット取引推進への新たな取り組み

株式会社鈴生(代表取締役:鈴木貴博、以下鈴生)は、この度、クミアイ化学工業株式会社(代表取締役社長:高木誠、以下クミアイ化学)との連携を発表しました。この協力により、静岡県での農業由来の温室効果ガス排出量削減を目指し、水田での中干延長を通じてカーボンクレジットを創出し、売買を行うプロジェクトが始動します。

水田中干延長は、持続可能な農業に取り組む静岡県掛川市の水稲農家によって実施され、彼らはこの手法によって反収が変わらず、美味しいお米の生産が可能であることを目指します。クミアイ化学は、農家を技術的に支援し、地域で創出されたカーボンクレジットが地域企業によって購入される「クレジット取引の見える化」を推進し、地産地消モデルの普及を目指します。

この取り組みは、農林水産省などが運用するJ-クレジット制度をプロジェクトの基盤とし、農林中央金庫のコンサルティング支援を受けて進められます。プロジェクトは第61回J-クレジット制度認証委員会で既に承認・登録されており、これからも農林中央金庫との連携を続け、全国の水稲農家や地域企業との協力を深めていく予定です。

鈴生は、特に静岡県内において14の生産者と契約し、野菜の生産を行っています。これに加え、掛川市の農家や地域の16農家とともに、水田メタン削減の取り組みを進め、J-クレジット化にも取り組んでいます。また、「顔の見えるクレジット」を理念に掲げる「顔が見えるクレジット協会」を設立し、創出されたクレジットが誰により作られたかを明確にするシステムの構築を目指しています。クミアイ化学の研究拠点が掛川市に位置していることから、両社の協力が実現しました。

水田中干延長は全国的に普及している手法ですが、その一方で反収が減少するリスクや品質が低下する可能性が懸念されることもあります。鈴生とクミアイ化学は、これらの課題に対して研究を行い、解決策を模索しています。もしこの取り組みが成功すれば、農家の負担は軽減され、水田中干延長の普及も進むことでしょう。

今後の展望として、鈴生は静岡県を中心に全国の農家に「顔が見えるクレジット協会」を紹介し、必要な技術の共有や勉強会の開催を通じて、さらに広範な支援を行っていく計画です。また、J-クレジットの認証や代理登録、販売に至るまでの一連のプロセスをサポートし、水田中干しにより生まれたJ-クレジットの信頼性を高める仕組みの構築にも注力します。

鈴生は2008年に設立され、バラエティに富んだ作物の生産を通じて『おいしさを求めて』の理念を掲げる農業生産法人です。クミアイ化学は70年以上の歴史を持つ農薬メーカーであり、農業生産技術の開発を通じてさまざまな社会的課題の解決に貢献しています。このように、鈴生とクミアイ化学の連携は、地域農業と環境保護の両立を目指した重要な一歩となるのです。


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会社情報

会社名
株式会社鈴生
住所
静岡県静岡市葵区下1108-8
電話番号
054-206-1203

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