ゾキンヴィ承認申請
2023-05-12 15:48:58
アンジェスが早老症治療剤「ゾキンヴィ」の承認申請を行う
アンジェス株式会社(本社:大阪府茨木市、代表取締役社長:山田 英)は、乳児早老症治療剤「ゾキンヴィ」(一般名:ロナファルニブ)の製造販売承認を本日、厚生労働省に申請したことを発表しました。この薬は、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)やプロセシング不全性プロジェロイド・ラミノパチー(PL)の治療に特化しており、希少疾患医薬品としての認定も受けています。現代医学において治療法が無いとされる疾患に対し、革新をもたらすことが期待されます。
「ゾキンヴィ」は、米国のEiger BioPharmaceuticals社が2020年11月にFDAから承認を受けて以来、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群および関連病の小児および若年成人に対する治療薬として使用されています。アンジェスは2022年5月にこの薬の日本における独占販売契約を締結し、2023年3月には希少疾病医薬品としての指定を受けました。今後、国内での使用が見込まれる患者数は数名程度とされていますが、その効果は治療の選択肢がない多くの患者家族にとって希望の光となるでしょう。
「ゾキンヴィ」の主な作用は、ファルネシル化された変異タンパク質の蓄積を阻害し、遺伝子変異による核膜の損傷を防ぐことです。この機序により、早期老化を引き起こす要因を減少させることができます。臨床試験においては、HGPS患者への治療が行われ、その結果、死亡率が60%の削減に成功し、平均生存期間が2.5年延長されたことが確認されました。また、多くの患者が10年以上治療を続けており、その副作用は主に消化器系のものであり、軽度から中等度のものが大半でした。
一方で、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群やプロジェロイド・ラミノパチーは、遺伝子の異常によって引き起こされる非常にまれな疾患です。これらは、異常なタンパク質が核内での正常な構造や機能を損なうことから、早期老化を引き起こし、深刻な成長障害や全身的な症状を伴うことがあります。このような疾患の治療法が確立されることで、未来の患者にとって新たな希望となり得るのです。
アンジェスは、早老症治療薬の開発に注力しており、国内での希少疾病医薬品の提供に力を入れています。治療法がない病気に対する革新的なアプローチを模索し、国際的な医薬品の開発、提供にも注力しています。また、独自に設立した衛生検査所では、希少遺伝性疾患に関するスクリーニング検査を行っており、HGPSやPLに対する遺伝子検査も準備中です。
今後もアンジェスは、新たな疾患への対応を視野に入れ、ゾキンヴィの作用機序を活かした研究を続ける考えです。これにより、さらに多くの患者に新たな治療法を提供できるよう努めていくでしょう。アンジェスの今後の取り組みに期待が寄せられています。
会社情報
- 会社名
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アンジェス株式会社
- 住所
- 大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番15号 彩都バイオインキュベータ
- 電話番号
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