Wavesプラットフォームは、2023年3月18日に独自のブロックチェーンスクリプト言語「RIDE for dApps」の導入に向けたソフトウェアアップデートをテストネットにてリリースしました。このRIDEは、分散型アプリケーション(dApps)向けに特化されており、ブロックチェーン上でのスマートなトランザクションを実現します。
RIDEの大きな特徴は、ノードの計算リソースを効果的に活用できるように設計されている点です。トランザクションの実行結果は、確実性のある論理に基づいており、開発者にとっては高い安定性と信頼性を提供します。また、RIDEは強い型付き言語であるため、開発プロセスでのエラーを防ぐことができ、バグ修正にかかる時間を大幅に削減する可能性を秘めています。
Wavesの創設者であるSasha Ivanov氏は、Ethereumの脆弱性や限界を批判し、ブロックチェーン上の計算においてチューリング完全さを必ずしも求めないという見解を示しています。RIDEのデザインは、意図的にチューリング非完全となっており、それでも必要に応じて連続するブロックにわたって動作を分割することで、チューリング完全にすることも可能です。このアプローチにより、RIDEは柔軟かつ安全なソリューションを提供します。
このアップデートにより、全ての開発者はWavesのブロックチェーン上で本格的なWeb 3.0アプリケーションを作成できるようになります。RIDE for dAppsの機能により、アカウントはプログラム関数を通じて様々な操作を実行できるようになりました。具体的には、以下のような機能が新たにサポートされています。
- - 支払いの受信
- - アカウントの状態を変更
- - WAVESやトークンの送信
新たなコマンド「InvokeScriptTransaction」が搭載され、これにより開発者はそれぞれの関数をブロックチェーン上に配置することが可能となります。手数料は、実行者がWAVESまたはトークンで支払うことができ、これによってコントラクトの状態変更や複数の支払いを行うことができます。
さらに、スクリプト承認の仕組みは、アカウントが持つVerifier関数に基づいて維持されており、コントラクトの管理機能として機能します。デフォルトでは、コントラクトやそのデータ、トークンはアカウントの秘密鍵によって制御されています。また、マルチシグによる制御も可能で、Verifier関数の返り値が常にfalseの場合、コントラクトは封印される仕組みです。
Wavesプラットフォームは、2016年に立ち上がり、ブロックチェーンのエコシステムを通じて、ユーザーが様々な現実の問題に取り組むことを目指しています。これに必要なツールやインフラも提供しており、開発者や企業にとって利用しやすい環境を整えています。Wavesは、2017年後半からトランザクションの認証時間を数秒に短縮するWaves-NGプロトコルを導入し、最大1,000トランザクションを毎秒処理できる能力を実現。また、2018年にはチューリング完全なスマートコントラクト機能を段階的にリリースしてきました。
詳細な情報はWaves公式サイトで確認できます。