日本IBMとKPMGジャパンが協業を強化
2023年、技術の進化に応じたAIガバナンスの必要性が高まる中、日本IBMはKPMGジャパンと戦略的な協業を強化することを発表しました。この取り組みは、日本企業がAIを安全に運用し、リスクを適切に管理できる環境を整えることを目的としています。
KPMG Trusted AIとwatsonx.governance
今回の協業では、IBMが誇るAIガバナンスソリューション「IBM watsonx.governance」と、KPMGが持つ「KPMG Trusted AI」フレームワークを融合し、企業に対して包括的な支援を提供します。このサービスは2025年1月21日よりKPMGジャパンのコンサルティングサービスを通じて、本格的に提供される予定です。
背景にある法規制の動向
AI技術の導入が進む現代、特にEUでは2024年5月にAI規制法が成立予定であり、日本でもAIに関する法制化の議論が進められています。このような状況下、企業がAIを導入する際のガバナンス強化やリスクマネジメントは非常に重要なテーマとなっており、AIガバナンスの構築が求められるようになっています。
日本IBMは、2018年にAI倫理委員会を設立し、AI利用における倫理とガバナンス体制の整備を進めてきました。AIの透明性や説明可能性を重視し、リスク評価フレームワークを自社内で開発・運用し、お客様にAIプロジェクトのリスク審査を提供しています。この審査は、AI利用を妨げることが目的ではなく、適切なガードレールを設置し、安全で公正なAIの活用を促進するものです。
KPMGの役割
一方で、KPMGジャパンは有限責任あずさ監査法人とKPMGコンサルティングが協力し、AI利活用を推進するためのリスク管理サービスを提供しています。「KPMG Trusted AI」フレームワークは、国際的なガイドラインや法規制を反映させており、企業のAIガバナンスを一層強化することに寄与しています。今後は、日本IBMとKPMGジャパンの両者が協力し、企業のAI導入を安全に進めるための体制を整えていきます。
未来へのビジョン
今回の協業強化によって、日本IBMは独自のAI技術と豊富な経験を生かし、企業のAIガバナンスを支援することを目指します。さらに、パートナー企業との共創を通じて、日本企業のデジタル変革を加速させていくことが期待されます。
これにより、AI技術の可能性を最大限に引き出し、リスクを適切に管理しながら持続可能なビジネスモデルを構築することができるでしょう。今後の日本IBMとKPMGジャパンの動きからは目が離せません。