次世代型太陽電池実証開始
2024-09-20 20:39:29

次世代型太陽電池実証事業がスタート!新たなエネルギー革命に向けて

次世代型太陽電池実証事業が始まる



日本政府が掲げた「2050年カーボンニュートラル」宣言を背景に、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は新たに「次世代型太陽電池実証事業」を開始しました。この事業は、ペロブスカイト太陽電池の量産化技術を開発し、社会実装を目指してさまざまなフィールドで実証実験を行うものです。

グリーンイノベーション基金の概要



2020年10月、日本政府は温室効果ガスの排出量をゼロにするために「2050年カーボンニュートラル」を目指すと発表しました。この目標達成にはエネルギーの革新が必須であり、経済産業省はNEDOに向けて2兆円の基金を設けることを決定しました。この基金をもとに、企業や研究機関の協力を得て、10年間に渡る支援が行われる「グリーンイノベーション基金事業」が立ち上げられました。

この事業は、特に太陽光発電を含む重点分野に焦点を当てており、2022年度には3000億円、さらに2023年度には4564億円が追加されました。このように、国の政策としての強い後押しがあります。

ペロブスカイト太陽電池の特性



ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟性があり、さまざまな設置場所に対応することができる点が特徴です。例えば、曲面や壁面への設置が可能であり、従来のシリコン系太陽電池に対抗し得る技術として期待されています。このプロジェクトは、量産化技術の確立を目指し、実用化に向けた具体的な活動が展開されます。

事業の内容



この次世代型太陽電池実証事業には、378億円の予算が計上され、2024年度から2030年度までの7年間にわたり実施される予定です。事業の内容としては、まず量産技術の開発が挙げられます。その過程では、高い生産性を実現するため、ロール・ツー・ロール(R2R)方式の導入が検討されます。

さらに、耐荷重の小さい屋根や高層ビルの壁面を対象にした実証実験が予定されています。そのため、設置方法や施工方法といった現実的な検証が行われ、必要に応じて改善を加えられることが期待されています。

採択された研究テーマ



新規採択された研究テーマは「軽量フレキシブルペロブスカイト太陽電池の量産実証」です。この研究では、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の量産化と、屋根や高層ビルの壁面における実証実験が行われます。これによって、実用化に向けたステップを進めることが狙いです。

未来への展望



NEDOはこのプロジェクトを通じて、ペロブスカイト太陽電池の早期の社会実装を実現することを目指しています。また、日本の太陽光発電産業の競争力を向上させるための基盤を整えることも課題としています。今後もさらなる公募を行い、新たな研究テーマを取り入れながら、イノベーションを加速させていく方針です。

この次世代型太陽電池実証事業は、日本のエネルギー未来を切り開く重要なプロジェクトとなるでしょう。さまざまな分野での応用が期待され、持続可能な社会を築く一助となることが望まれています。


画像1

会社情報

会社名
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
住所
神奈川県川崎市幸区大宮町1310番ミューザ川崎セントラルタワー
電話番号
044-520-5207

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。