平城京発掘、大嘗祭新発見
2024-07-03 13:59:16
平城京発掘調査で新たな発見!大嘗祭と備中国の関係が明らかに
平城京発掘調査で聖武天皇の大嘗祭に関わる木簡が続々出土!備中国からの貢納品が多数確認される
2024年3月に発表された平城京左京三条一坊二坪の発掘調査(平城第658次調査)で、聖武天皇の大嘗祭に関わる木簡が多数出土したことが明らかになりました。その後、洗浄作業が継続され、さらに1500点以上の木簡が確認され、出土点数は2500点を超えたとのことです。
今回の調査で注目すべき点は、以下の2点です。
1. 『延喜式』の規定にみえる大嘗祭で用意される物品と合致する荷札や付札が多数確認された
出土した木簡の中には、「大嘗分」「大嘗贄」と記されたものがあり、聖武天皇の大嘗祭に関わるものであることが明らかになっています。さらに、これらの木簡には、イカ、塩、栗、梨、餅など、大嘗祭で用いられたと考えられる物品名が記されています。これらの物品名は、平安時代に編纂された『延喜式』の供神雑物条に記載されている物品と一致しており、この条文のもととなる規定が奈良時代前半にまで遡る可能性を示唆しています。
2. 備中国の荷札が多く認められ、国内9郡のすべての郡からの貢納を確認した
出土した荷札の約3分の2が備中国と明記されており、備中国からの貢納品が多数存在したことが判明しました。さらに、備中国の9つの郡すべてからの貢納を確認したことから、聖武天皇の大嘗祭において、備中国が重要な役割を担っていたことが推測されます。
今回の発見は、聖武天皇の大嘗祭の儀式や、当時の社会構造を解き明かす上で重要な資料となります。特に、備中国からの貢納品が多数確認されたことは、大嘗祭における地方からの貢納のあり方や、備中国と平城京の関係について新たな知見をもたらすと期待されています。
今後、洗浄・整理作業を進めることで、さらに新たな事実が明らかになる可能性があります。今後の調査結果に注目していきたいところです。