新たなファンドの運営が始まる
スパークス・グループ株式会社は、2025年2月4日、子会社のスパークス・アセット・マネジメント株式会社(略称SAM社)によるアイルランド籍のUCITSファンド、「スパークス・ジャパン・エクイティー・ロング・ショート・ファンド」の運用が開始されたことを発表しました。この新ファンドは、日本株式へのロング・ショート投資戦略に基づいており、過去27年間、国内外の投資家に安定したパフォーマンスを提供してきた実績を持っています。
UCITSファンドとは
UCITS(譲渡可能証券への集合投資事業)は、欧州の厳格な規制を受けた投資ファンドの形態で、特に欧州市場における投資の需要が高まっています。この流れを受けて、SAM社は新ファンドを設立し、今後の欧州市場におけるプレゼンスを強化することを目指しています。
新ファンドの目的と展望
新ファンドの目標は、早期に1億USドル規模まで運用資産を拡大することです。欧州市場では、特に金融危機以降、UCITSファンドへの投資が年々増加しており、様々な投資家がUCITSファンドを選択肢としている状況です。投資家のニーズに応えるために、既存のUCITSファンドと連携し、特に欧州の機関投資家へ向けたマーケティング戦略を強化する意向が示されています。
グループの成長と事業強化
SAM社は、2003年以降にアイルランド籍UCITSファンドを運営しており、その残高は約1,561億円(約10億USドル)に達しています。これは、日本の資産運用会社として、アイルランド籍UCITSファンドにおいて第2位の規模を誇ります。市場のさらなる拡大が見込まれる中、SAM社は新たなファンド設立を通じて、さらなる成長を掴むべく準備を進めています。
投資戦略とリサーチの重要性
新ファンドにおける投資戦略は、個別企業に対する徹底的なボトム・アップ・リサーチを基にしており、全証券取引所に上場している様々な時価総額の株式を投資対象とします。特にSAM社は、企業収益の質、経営戦略、市場の成長性の3つの視点から企業の実態価値を評価し、割安株をロングポジション、割高株をショートポジションにするというアプローチを採用しています。このように、市場の変動に対しても安定した成長を図ることを目指しています。
環境に配慮したファンド運用
加えて、新ファンドはSFDR(サステイナブルファイナンス開示規則)の8条に該当し、環境や社会的な特性の促進にも焦点を当てています。これにより、持続可能性を重視する投資家にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
SIG社のプラットフォーム活用
この新ファンドは、英国に拠点を置くStrategic Investments Group Limited(SIG社)のプラットフォームを利用して運営されています。SIG社は、2002年に設立され、UCITSファンドを通じたオルタナティブ投資を提供する専門会社であり、20年以上の経験と確かな実績を持っています。これにより、欧州市場におけるネットワークを強化し、グローバルな展開をサポートする体制が整えられています。
まとめ
SAM社が導入した新しいアイルランド籍ファンドの設立は、市場に新たな投資機会を提供するものであり、特に日本株式に関心を寄せる投資家にとって貴重な機会となることが期待されます。コスト効率と規制を遵守したファンド運営が、より多くの投資家に有益な選択肢を生むことでしょう。