不動産テック協会が新部会を設立
業界のデジタル化を推進する一般社団法人不動産テック協会(代表理事:滝沢潔、巻口成憲)は、マンション管理に特化した新部会「マンション管理DX部会」を設立しました。この取り組みは、マンション管理業界が抱える具体的な課題に対応するためのものです。
直面する業界の課題
日本の分譲マンション業界には、近年「3つの老い」と称される問題が浮上しています。これらの問題は業界全体に影響を及ぼし、迅速な対応が求められています。
1. 建物の経年劣化
分譲マンションは築年数が経つにつれ、修繕が必要になることが増えます。しかし、修繕費の高騰に伴って、修繕積立金が不足する例が増加しています。実際、約4割のマンションが修繕積立金の不足に悩まされています。
2. 高齢化する居住者
マンションに居住する住民が高齢化しており、よりバリアフリーな設備や高齢者に配慮したサービスのニーズが高まっています。このことは、管理業務にも新たな課題をもたらしています。
3. 人材不足の管理人
団塊世代の大量退職によって、マンション管理の担い手となる管理人が不足しており、これはサービスの質低下や管理費の増加を引き起こす懸念要素です。
このような課題に対処するために、不動産テック協会はマンション管理のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、新たな管理体制の構築に力を入れることが不可欠だと見ています。
部会の目的と活動内容
「マンション管理DX部会」では、次のような活動が予定されています。まず、マンション管理のデジタル化を推進し、業界での情報提供を行います。これは、各管理会社がデジタル化を図る際に必要な支援情報を提供することを意味します。また、ビジネス機会を創出するためのマッチングイベントも定期的に開催予定です。
規制緩和への取り組み
部会は、以下の課題に対しても取り組みを進めます:
- - 経年劣化への対応:AIやIoTを駆使した修繕計画の最適化や、早期に修繕積立金の不足を特定し、資金計画の見直しをサポートします。
- - 居住者の高齢化への対応:バリアフリー補助金の対象範囲を拡大し、オンラインで居住者の意見を集めるシステムの導入を支援します。
- - 管理人の人材不足:巡回型の管理や遠隔管理の推進を目指し、管理人常駐の義務の緩和を求めます。
活動の展望
部会の設立記念イベントは2025年6月12日に開催され、参加は無料で誰でも可能です。このイベントを通じて不動産テック協会の取り組みを体感してもらえることでしょう。今後さらに、業界全体の持続可能な発展に向けた取り組みを進めていきます。
新規会員募集
マンション管理会社との連携を希望する不動産テック企業や、DX情報を求める管理会社への新規会員募集も行っています。詳細は不動産テック協会の公式サイトにて確認が可能です。
不動産テック協会について
不動産テック協会は、テクノロジーの導入を通じて不動産業界の発展を支援する団体です。テクノロジーと不動産の融合を図り、業界の健全な成長を目指しています。所属企業との共同活動や調査研究を通じて、持続可能な業界の構築に貢献していきます。
いよいよ、デジタル化された未来のマンション管理が始まります。これからの課題解決に向けて、注目が集まる取り組みです。