2024年11月東京主要7区オフィス市場の動向
2024年11月末、三菱地所リアルエステートサービス株式会社の最新調査によると、東京の主要7区における大型オフィスビルの空室率は4.83%と前月比で0.11ポイントの減少を示しました。これに伴い、平均募集賃料は28,883円/坪に達し、前月比では247円/坪の上昇を見せました。このデータは、千代田、中央、港、新宿、渋谷、品川、江東区の7つの地域に焦点を当てたもので、各区で様々な動向が見られました。
空室率と平均募集賃料の動向
まず、空室率の動きについて見てみましょう。中央区、港区、江東区では空室率が回復傾向にありますが、特に新宿区では上昇が続いています。新宿区は、最近の西新宿エリアにおける新たな募集案件の増加が影響し、前月比で0.32ポイントの上昇を記録しました。
一方、江東区は豊洲エリアでの新たなリーシング活動により、空室率が前月比で0.29ポイント下がる結果となりました。これにより、主要7区の空室率全体は緩やかな回復を示していると言えます。
また、前述のように平均募集賃料に目を向けると、千代田区、中央区、品川区では賃料が上昇傾向にあり、特に千代田区の賃料は58ヶ月ぶりに40,000円/坪を超えたとのことです。これはまずまずの回復を示す一因となっています。江東区では賃料が下降局面にあり、港区、新宿区、渋谷区では賃料が横ばいを維持しています。
オフィス移転のトレンド
オフィス移転の動向についても注目が集まります。2023年10月から2024年10月にかけての移転動向では、「情報通信業」が最も多く、次いで「卸売業、小売業」、「製造業」が続く形となりました。
特に、新橋・虎ノ門・汐留エリアへの移転が多く見られ、これらの地域は多様な業種が集積しているため、今後のビジネスチャンスが期待されます。一方で、大手町・丸の内・有楽町・内幸町エリアでは、「情報通信業」の移転が見られないなど、エリアごとの特徴が際立っています。これは、エリアが持つ独自のビジネス環境やインフラが関係していると推察されます。
調査の対象と手法
この調査は、東京の千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区、江東区に存在する延床面積3,000坪以上の賃貸オフィスビルを対象に行われています。986棟を対象に集計され、空室率は募集面積を基に、募集賃料は加重平均で計算されています。
このように、東京の主要7区は、その空室率や平均賃料に一定の変動を見せつつも、全体としては緩やかな回復を見せています。新たなオフィスニーズに対応できる柔軟な物件の供給が求められる時期に入ってきていると言えます。
今後の東京の不動産市場がどう成長し、変化していくのかが非常に注目されます。