プリントネット、鹿児島でサーモン陸上養殖事業の試験用設備を完成

プリントネット、サーモン陸上養殖の新たな挑戦

プリントネット株式会社が新たに取り組むサーモンの陸上養殖事業。その試験用設備が鹿児島県日置市にて完成し、2025年12月11日には壮大な放流式が行われました。このプロジェクトは、地域の水資源を利用して、陸上での養殖を実証するためのものです。今後約1年間、この設備で育成しながら得られる知見をもとに事業を展開していく計画です。

放流式の様子

放流式には、関係者の他、施工を手がけた有限会社ひらやまの代表者も参加。式典後、最初の群れとして1,500匹のサーモンが生け簀に放流され、育成が開始されました。この放流の瞬間は、未来の食料生産への期待感で満ちていました。陸上養殖は従来の海での養殖とは異なり、環境に依存せず安定した生産が行える点が大きな魅力です。

陸上養殖の可能性

有限会社ひらやまが開発した「ひらやま式」の陸上養殖装置は、比較的低コストで導入可能です。この方式では、清浄な水で育てられたサーモン、「桃太郎サーモン(R)」のような高品質な製品を生産することができ、地元市場でも高く評価されています。今後、この取り組みが地域経済にも貢献し、新たな雇用を生む期待が寄せられています。

取り組みの背景

プリントネットがこの事業に参加する理由は、地域に根ざした持続可能な食料供給の仕組みを築くことです。日本国内でのサーモン需要は増加している一方で、大半は外国からの輸入に頼っている現状があります。気候変動や輸送問題などの不安定な要素が存在し、その中で陸上養殖が理想的な対応策として注目されています。地域の資源を活用した生産方法は、安定した供給を可能にします。

新しい挑戦の意義

印刷事業を営むプリントネットですが、養殖事業と共通するのは「環境管理」と「品質維持」です。これまで培った管理力を活かし、新しい領域で地域の資源を活かした価値あるものづくりに挑戦します。また、地域の印刷会社などとの連携により、堅実な食料生産が可能になることを目指しています。これが地域に貢献し、新しい産業を生む一助となることを期待しています。

今後の展望

今後の育成については、約1年をかけて成長過程を観察し、実データを基に次のステップに進む予定です。具体的には、本格的な生産設備の導入や地域の飲食店や流通業者との連携を模索し、イベントなどの活用方法も検討していきます。地域との共生を目指し、小さな一歩からスタートしたこのプロジェクトが、いずれ大きな成果を生むことを期待しています。