新種巻貝の保全
2025-01-08 23:51:17

新種巻貝ウラウチコダマカワザンショウの発見と保全の重要性

岡山大学の福田宏准教授と沖縄県海洋深層水研究所の久保弘文元所長による研究で、沖縄県の西表島と石垣島に新たな巻貝の種、ウラウチコダマカワザンショウ(Ovassiminea hayasei)が発見されました。この発見は、2025年1月8日に岡山大学から公表され、2024年12月24日には日豪共同で発刊された軟体動物学雑誌『Molluscan Research』に収録されました。

この新種は、マングローブの砂泥底に生息し、コダマカワザンショウ属(Ovassiminea)の中でも最も北に位置する種です。現在、ウラウチコダマカワザンショウの生息地は5カ所に限られており、環境の変化や開発活動の影響で絶滅の危機にあることが報告されています。特に、石垣島ではゴルフリゾートの建設が計画されており、その影響が懸念されています。

新種の発見は研究界でも注目に値し、福田教授はカワザンショウ科の貝類に対する情熱を語り、特に彼の研究が進む中で多数の種が絶滅の危機に瀕している現実に責任を感じています。彼は、新種の保存はただの科学的な責務ではなく、自己の存在証明でもあると述べています。

日本国内における貴重な生物の保全は、ただその種のみならず、その生態系全体を守ることにもつながります。多くの地域で開発が進む中、この巻貝の保存は沖縄の豊かな生態系を維持するためにも必須な課題です。環境省と沖縄県のレッドリストにて絶滅危惧II類(VU)に指定されていることからも、この問題の深刻さが窺えます。

ウラウチコダマカワザンショウは、絶滅危惧種として環境と共存する社会の実現に向けた象徴ともいえます。今後の研究の進展とともに、更なる保全活動の充実が期待されます。

参考文献


  • - 論文名:A new species of Ovassiminea Thiele, 1927 (Gastropoda: Truncatelloidea: Assimineidae) from the Yaeyama Islands, Okinawa, southern Japan — the northernmost record among recent species of the genus
  • - 掲載紙:Molluscan Research
  • - 著者:Hiroshi Fukuda and Hirofumi Kubo
  • - DOI:10.1080/13235818.2024.2436388
  • - 詳細な研究記事やプレスリリースは、岡山大学の公式ウェブサイトにてご覧いただけます。


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国立大学法人岡山大学
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岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
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