STマイクロエレクトロニクス、新型eSIMを発表
STマイクロエレクトロニクス(STM)は、IoT向けの新しい組み込みSIM(eSIM)「ST4SIM-300」がGSMA SGP.32 eSIM IoT仕様の認証を取得したことを喜びの声と共に発表しました。この認証取得により、ST4SIM-300は世界中のセルラー・ネットワークおよびIoTサービスプラットフォームとの高い互換性、いわゆるインターオペラビリティを実現しました。
ST4SIM-300の特長
ST4SIM-300は、SGP.32仕様をサポートする最初の認証eSIMの一つとして注目されています。この仕様は、ユーザーインターフェース機能がシンプルで、狭帯域通信の使用が求められるIoTデバイスに最適です。また、SGP.32は、大量のデバイス管理が可能なSIMプロファイルの一括プロビジョニングや、SMSを用いないプロビジョニングが特徴です。さらに、ダウンロードを効率化する軽量なプロファイルテンプレートも特筆すべき点です。
STのセキュア・エッジ & IoT eSIMビジネスユニットのマネージャー、アゴスティーノ・バノレ氏は、「SGP.32が登場することで、ヘルスケアやエネルギー管理、ロジスティクスといった新たなサービスの実現可能性が広がります。クラウド接続型の多くのスマートデバイスからデータをしっかり活用できるようになります」と語っています。
GSMAの評価と今後の展開
GSMAのeSIMグループ・ディレクター、グロリア・トゥルヒイロ氏は、このGSMA認証の取得が、IoT製品のクオリティやセキュリティ、そして相互運用性を保証するために非常に重要であると強調しました。ST4SIM-300の認証取得は、IoT領域における同社の取り組みを示す重要な成果であり、浸透が期待されます。
ST4SIM-300は、モバイルアセットトラッキングデバイス、スマートメーター、ヘルスケアデバイスのような即戦力の機器に利用できるほか、広範な温度範囲に対応した産業グレードの選択肢も提供しています。コストパフォーマンスに優れ、堅牢なソリューションを提供することで、IoTデバイス管理の課題解消に貢献します。
さらに、装置開発メーカーはGSMAのIoT SAFEアプレットを利用することで、ST4SIM-300をセキュア・エレメントとして利用することができ、さまざまなフォームファクタから選択可能です。
開発エコシステムの構築
ST4SIM-300は、信頼できるパートナーと共に形成された包括的な開発エコシステムによってサポートされており、IoTデバイスの開発や接続に必要なリソースに容易にアクセスできます。このエコシステム内では、IoTリモート・マネージャ(eIM)や、IoTプロファイル・アシスタント(IPA)、ブートストラップ接続などの重要なリソースが用意されています。
また、ST4SIM-300はGSMA eSA認証を受けており、3GPP/ETSIリリース17に準拠しており、3G、LTE、5Gのセルラーネットワーク(Cat-MおよびNB-IoTを含む)への接続も可能です。STのセキュア・マイクロコントローラ「ST33K1M5M」を基盤とし、暗号化およびハードウェア保護機能を備えた高性能プロセッサを搭載しており、Common Criteria EAL6+認証を取得しています。
まとめ
ST4SIM-300のパッケージオプションには、各種高耐久性のプラグインカードや小型パッケージが用意され、広い動作温度範囲にも対応しています。価格やサンプルの取得については、STの営業所または販売代理店に直接問い合わせることが推奨されています。
詳しい情報については、STの公式ウェブサイトを訪れることで得られます。
STマイクロエレクトロニクスについて
世界的な総合半導体メーカーであるSTは、約50,000人の従業員を持ち、優れた供給チェーンと先進的な製造設備を整えています。20万社以上の顧客および数千社のパートナーと協働しながら、持続可能な社会とビジネスの創造を支える半導体ソリューションの開発に注力しています。STの技術は、スマートモビリティやエネルギー管理の効率を向上させ、クラウドに接続された自律デバイスの普及に貢献しています。カーボンニュートラルを実現するため、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率100%を目指しているという取り組みも行っています。