帝京大学医学部附属病院、画期的な小線源治療を開始
2025年12月25日、東京都板橋区の帝京大学医学部附属病院で、移動型X線透視診断装置「ImagingRing」を用いた国内初の小線源治療が行われました。この治療では、50歳代の女性患者に対し、子宮頸がんに対する治療が実施されました。
小線源治療の概要
小線源治療とは、小型の放射線源を患者の体内の治療対象部分に一時的に挿入することで行う放射線治療の一種です。主に子宮頸がんや前立腺がんといった様々ながんに対して用いられ、効果的な治療法として期待されています。従来の治療法では、アプリケータという器具を患者の体内に挿入した後、CT室へ移動してその位置を確認する必要がありましたが、これによりアプリケータにずれが生じる可能性があり、患者の負担も大きいものでした。
ImagingRingの導入による問題解決
「ImagingRing」の導入によって、患者は移動することなく治療室内で画像撮影から実際の治療までが完了します。このシステムにより、治療の効率化が図られ、ワークフローも大幅に改善されることが期待されているのです。
帝京大学医学部附属病院の放射線科教授である白石憲史郎先生は、「ImagingRingを利用した小線源治療を開始できたことは非常に嬉しい。患者さんに優しい、高精度な治療が実現可能になり、治療成績の向上を期待しています」と述べています。
患者中心の治療を追求
エレクタ株式会社の代表取締役社長、有岡広紀氏もこの取り組みにコメントを寄せています。「日本では毎年98万症例が新たにがんと診断されていますが、がん治療においては患者が安心して治療に集中できる環境を整えることが重要です。ImagingRingにより、より患者中心の治療が実現できることを期待しています。」
帝京大学医学部附属病院の役割
帝京大学医学部附属病院は、1014床、24の診療科を有する特定機能病院として知られています。地域がん診療に特化し、高度な医療を地域の患者に提供。この病院では毎年約700件の治療が行われており、特に放射線科では500件の高精度照射を行っています。
エレクタの企業理念
エレクタは、がん患者に最高の治療を提供することをミッションとし、医療従事者との連携を重視したビジネスモデルを展開しています。スウェーデン本社をはじめとし、40か国以上で事業を行い、先進的な放射線治療技術を広める努力を続けています。
最先端の医療技術によって、新しい治療の道が開かれることが期待されており、癌治療のあり方も大きく変わることでしょう。