管理職の約7割がキャリアパスの不明瞭さを問題視する実態調査
ビジネスコーチグループに属するB-Connect株式会社は、部下のキャリア自律を促すための施策として、1on1ミーティングを実施している大企業(従業員数1,000名以上)の部長や課長100名を対象にした実態調査を行いました。この調査の報告によると、68.0%の管理職が1on1ミーティングが部下のキャリア自律を促す目的に対し機能していると答えた一方で、28.0%がその機能不足を指摘しました。特に、約7割が「会社におけるキャリアパスが不明瞭である」という課題を認識している結果が明らかとなりました。
1on1ミーティングの機能と課題
調査によると、1on1ミーティングが効果的だと感じる場面のトップは「部下が自ら目標やアクションプランを立てて話してくれたとき」でした。この結果は66.2%を占めています。一方で、1on1ミーティングが機能しない要因として、最も多く挙げられたのは「過去の対話内容や進捗が共有されていないこと」であり、39.3%の管理職がその点を問題視しています。また、32.1%が「雑談の延長のような対話に終始してしまう」と回答しており、対話の質が損なわれる状況が伺えます。
このように1on1ミーティングが機能しない原因は、部下が会社で可能なキャリアがイメージできていないことに影響を与えていると考えられます。この情報は67.8%の管理職によって支持されています。このような状況からキャリア支援につながる1on1が十分に機能しないことが浮き彫りとなっています。
ジョブディスクリプションの活用状況
さらに、ジョブディスクリプションの導入状況についても調査が行われ、71.0%の企業がジョブディスクリプションを導入していますが、そのうちの30%は「実質的に機能していない」という現状があります。このことからも、キャリアの明確化が困難になっていることが示唆されます。
この加工は、キャリアパスの明確化が求められる中、B-Connectの調査結果は企業がどうアプローチしていくべきかの示唆を与えていると言えます。実際、ジョブディスクリプションの整備が行われている企業では76.7%が「キャリア支援につながる1on1等の育成施策の効果向上」を実感しているとの結果も得られています。これにより、企業がジョブディスクリプション明確化ツールを導入することで、効果的な1on1ミーティングが実現できる可能性が高まることが分かります。
今後の展望
調査の結果からは、1on1の継続性や一貫性が大きな課題であることが浮き彫りになりました。特に、毎回異なるテーマで話が断片的になることや、過去の対話内容が共有されないことが、部下のキャリア自律の促進に十分な効果を発揮できていない要因として挙げられました。加えて、部下が「会社で実現できるキャリア」を具体的にイメージできていないことが、1on1の効果に大きく影響していることが示されています。
企業が持続的に成長するためには、ただ面談を行うだけではなく、上司と部下が共通認識を持つことが重要です。そのためには、効果的な見える化ツールを活用して、体系的かつ継続的なキャリア支援の仕組みを構築していく必要があります。これにより、社員が自社内で実現可能なキャリアパスを描く手助けとなり、より質の高い対話と成長を促進できることでしょう。
本調査に関する詳細は、
こちらのリンクからダウンロード可能です。