年末年始に潜む「正月うつ病」の実態
日本人の中で、冬の時期に心の不調に悩まされる人が増えています。特に年末年始は一種の精神的な過負荷がかかる時期とされ、何気ない日常の中で、「正月うつ病」と呼ばれる現象に苦しむ人も少なくありません。一般社団法人徳志会による調査によると、日本国内では約3割の会社員がこの症状を経験していることが分かりました。
正月うつ病とは?
正月うつ病は、冬の厳しい気候や、年末年始の多忙な業務スケジュールが重なった結果、心のバランスを崩してしまう状態を指します。特に冬は、別名「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌量が低下し、精神的な安定を得ることが難しくなります。セロトニンの分泌は春夏と比べると約3分の1まで減少し、その結果、気分が落ち込みやすくなるのです。
調査の結果
徳志会による調査によると、全国の会社員200名の回答をもとに、正月うつ病の発症経験が明らかになりました。驚くべきことに、10代から50代までの約3割がこの症状を経験したと回答しました。特に20代の若者が最も多くの発症例が報告されており、その原因は主に業務の増加や飲食の過多に起因するとされています。
この調査では、正月期間に業務のストレスがさらに増える中で、忘年会などでの暴飲暴食が体調を崩す要因となり、結果的に年始からの仕事に悪影響を与えることが分かりました。実際、正月を過ごした後の仕事では、簡単なミスが多くなっているという結果が出ています。
何もしないことの影響
また、正月うつ病を経験した人に対する追跡調査では、気分が落ち込んだ時に「何もしなかった」と答えた人が多数であることも興味深い結果です。多くの場合、精神的な問題を放置したことが、結果としてより一層の辛さを招くことになります。特に、何も対策を講じないことは、後々の仕事や日常生活に多大な影響を及ぼします。
早期のケアが重要
正月うつ病を感じたら、早めに専門の医療機関に相談することが不可欠です。うつ病は重症化すると、深刻な状況に発展する可能性があります。年末年始の時期に心の不調を抱えている方は、よりそいメンタルクリニックなどでのカウンセリングを受け、状況を観察してもらうことで、適切な支援を受けられるでしょう。
誰かに話すことの大切さ
心の健康を維持するためには、悩みや不安を誰かに話すことが重要です。専門家に相談することで、心の状態をより詳しく理解し、適切な治療を受けることができます。特に、年末年始にストレスを感じている方は、一人で抱え込むのではなく、専門家のサポートを受けることを強くお勧めします。カウンセリングを通じて、より良い心の状態を手に入れ、日々の生活をより充実したものにしていきましょう。
新たな仲間を募集中
徳志会では新店舗のオープンに伴い、新たな医師や看護師、臨床心理士、医療事務スタッフの求人を行っています。興味のある方は、ぜひ院内見学会に参加してみてください。当院の医療体制や雰囲気を実際に体験し、自分が求める職場であるかを確かめることができます。
正月うつ病についての理解を深め、適切な対策を講じることで、心の健康を保つことが可能です。年末年始を健やかに過ごすために、今すぐできることから始めてみましょう。