新たな治療法として注目の「BRAVOS」
2023年10月22日、京都大学病院において、高線量率密封小線源治療装置「BRAVOS」の国内初号機が受注されました。この医療機器は、5年以上の研究に基づいて開発され、Varian社が提供する他の製品と高い互換性を持つ統合システムとして設計されています。BRAVOSは、小線源治療手順をシンプル化し、治療の効率を高めるために革新された装置です。
BRAVOSの特徴的な機能の一つは、局所的に高線量を照射できることで、周囲の正常な臓器に対する線量を抑えるという点です。この機器は、特にがん治療において精度が求められる場面において、優れた性能を発揮します。加えて、「BRAVOSアフターローダーシステム」には、付属のCamScale(カムスケール)が搭載されており、線源停止位置の精度検証や精度管理を行うことが可能です。
また、BRAVOSの安全機能も注目です。照射前の距離測定機能により、計画上の治療長と実際の治療長の差を測定することができ、ユーザーは治療室内でタッチパネルを介して簡単に操作できます。万が一のトラブルにも対応可能で、Varian製のリニアックと同様に、遠隔メンテナンスシステム「SmartConnect」を用いて、病院のマシンがリモートでサポートされる仕組みが確立されています。
これらの機能により、放射線治療を行う医療現場では、BRAVOSが持つ治療のワークフローを改善する可能性に大きな期待が寄せられています。京都大学医学部附属病院の放射線治療科の教授、溝脇尚志先生は、「BRAVOSの導入によって治療の選択肢が増え、より最適な小線源治療を提供できると確信しています」とコメント。特に、Eclipse内のBrachyVisionを活用して治療計画を行うことができる点は、彼のチームにとって大きな利点であり、今後は線量分布の最適化も視野に入れているそうです。
Varian社のがん治療への取り組み
Varian社は、がん治療において革新をもたらすことを目指しています。70年以上の歴史を持ち、世界中の医療従事者が何百万人もの患者を治療できるよう、さまざまな医療技術を開発してきました。その理念は「A world without fear of cancer(がんの恐怖に負けない世界)」であり、このビジョンに基づいて、インテリジェントながん治療ケアを実現するため、AIやデータ分析などの先端技術を取り入れています。
今後もBRAVOSを含む放射線治療の製品群を拡充し、局所治療や外部照射を含む総合的な放射線治療のサポートを続けていく方針です。
結論
BRAVOS導入により、がん治療の現場に革新が起こることが期待されています。吸収型がん治療の新たな可能性を秘めたこの装置は、医療従事者のみならず、多くの患者の未来に影響を与えることでしょう。詳しい情報については、
Varian公式サイトをご覧ください。