三菱重工サーマルシステムズが環境大臣表彰を受賞
先日、三菱重工サーマルシステムズ株式会社が「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」を獲得しました。この表彰は、同社が開発した低GWP冷媒HFO-1234yfを利用した大容量ターボ冷凍機JHT-Y/JHT-YIシリーズに対して与えられたものです。
表彰式は12月2日に東京都内で行われ、気候変動に配慮した製品の開発が高く評価されました。この表彰は、1998年から続く「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」が2020年度にリニューアルされ、毎年気候変動対策に顕著な貢献をした個人や団体が選ばれています。
健全な環境を目指す製品開発の重要性
三菱重工サーマルシステムズは過去にも、低GWP冷媒を使用したターボ冷凍機ETI-Zシリーズや、空気熱源循環加温ヒートポンプで受賞した実績があります。今回が3度目の受賞となりますが、彼らの製品には環境への配慮と性能の両立が求められています。
JHT-Yシリーズのターボ冷凍機は、GWPが1未満の冷媒HFO-1234yfを採用し、環境への負荷を大幅に削減しました。この冷凍機は、最大5400冷凍トンまで対応可能であり、国産では初めての試みです。また、圧縮機の新設計により、高効率な運転が実現されています。
特に、定格COPが最大6.4、インバータ機のIPLVが8.8、部分負荷時の最高COPは24.9という数値は、業界内でも非常に優れた性能を示しています。これにより、従来型冷凍機からの更新でもスムーズに対応可能です。
低GWP冷媒の普及と未来の方向性
新型のターボ冷凍機は、空調だけでなく暖房や低温加熱プロセスまで幅広く適用できます。また、HFO-1234yfはODPゼロのため、フロン排出抑制法の適用を受けません。他方、高GWP冷媒を使用する旧来の機器は、2025年以降にさらなる規制強化が見込まれています。
そのため、低GWP冷媒への迅速な移行が急務となっています。三菱重工サーマルシステムズは、低GWP冷媒を使用したターボ冷凍機の市場シェアを拡大しており、今後も地球環境に配慮した製品開発を続けていく方針を示しています。
要するに、持続可能な未来を見据えた技術革新は、企業の責務であり、社会における重要な役割を果たしています。今回の受賞は、三菱重工サーマルシステムズの取り組みが正しい方向に進んでいることを示す証として、注目に値します。