生成AIを活用した業務改革
株式会社リンクアンドモチベーションが、生成AIを活用してコンサルティング事業の生産性を劇的に向上させました。2023年のデータによると、同社のコンサルティング専門チームの売上は前年比約140%を達成し、業務効率も25%削減されました。この厳しい競争環境の中で、どのようにして成長を実現したのか、詳しく見ていきましょう。
DX推進と人的資本経営の重要性
近年、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進は急速に進んでいますが、生成AIの活用は特に日本企業において急速に広がっています。株式会社リンクアンドモチベーションは、組織開発Divisionにおいて、AIと協働しながら高い付加価値を生み出すことを目指し、業務改革を進めてきました。これにより、業務プロセスの効率化とともに、従業員の思考時間を確保し、さらなる価値創出に繋げています。
収益の増加と業務時間の短縮
最近の結果から、コンサルティング専門部隊における従業員一人当たりの売上が前年比約140%に達したことが確認されました。さらに、業務時間を前年比で約25%削減し、月ごとに40時間、年単位で10,560時間の削減に成功しました。これは、同社の取り組みが着実に効果を上げている証左です。
特に注目すべきは、業務でAIを活用する人材の割合が驚異の96%に達した点です。146人を対象にしたアンケート結果からも、多くの社員がAIの活用による業務改善を実感しています。
AI活用の具体的な取り組み
1. 生成AI推進チームの設立
株式会社リンクアンドモチベーションでは、生成AI推進のための専門チームを結成し、コンサルティング専門部隊と連携を図っています。このチームには、AIツールの開発、活用事例の共有、知識の蓄積を行うことが求められています。とりわけ、業務全体を理解した上でインパクトを見極められる人材を配置することで、本質的な事業インパクトを生み出すことを目指しています。
2. 標準プロセスへのAI組み込み
AIツールの開発に際しては、実際のコンサルティングプロセスに適切に組み込むことが重視されています。すでに実施されているプロセスに必要に応じてAIを加えることで、誰でも手軽にツールを使える環境を整えました。これにより、業務全体の生産性が向上し、導入に取り組む意義が一層明確になりました。
3. 多様なAI技術の活用
複数のAI技術を使うことで、業務の特性に応じた適切なツール選定を行っています。特に、ChatGPTを用いた思考整理や文章生成、Perplexity/Gensparkによる情報収集、またAIツール開発を行うDify/n8n、資料作成のためのGamma、文字起こしツールであるtl;dv/Tactiqなど、多岐にわたる技術が活用されています。
従業員の声
社員からのアンケート結果にも、その効果は如実に表れています。「AIを活用することで思考時間が確保できた」「業務の効率化が図られ、提案内容にかける時間が増えた」といった前向きな声が多数寄せられています。
未来に向けての展望
2024年の第1四半期にはコンサルティング専門部隊でのAI活用の先行展開が実施され、2025年以降には事業全体にその範囲を拡大する計画です。また、組織人事を専門とした知見と生成AIを組み合わせて、新たな商品やサービスを開発し、自社の成功事例を顧客に展開していく方針も示しています。今後のさらなる成長と多様化する取り組みに期待が高まります。
企業情報
- - 会社名:株式会社リンクアンドモチベーション
- - 設立:2000年4月
- - 所在地:東京都中央区銀座4-12-15歌舞伎座タワー15階
- - 代表取締役会長:小笹芳央
- - 資本金:13億8,061万円
- - 証券コード:2170(東証プライム)
このように、生成AIを業務に取り入れることで、株式会社リンクアンドモチベーションは自身の成長を確実に支える体制を整え、今後の展開にも期待が寄せられています。