塩野義製薬とファンペップが新型抗体誘導ペプチドワクチン開発へ共同研究開始

塩野義製薬とファンペップの共同研究が始まる

株式会社ファンペップ（大阪府茨木市）は、ワクチン開発に特化した塩野義製薬株式会社と新たに共同研究を開始したことを発表しました。この研究では、抗体誘導ペプチドを対象にした新規アジュバント開発に取り組みます。

アジュバントとは

アジュバントは、ワクチン接種時にその効果を高めるために使用される物質で、ラテン語の「adjuvare」（助ける）に由来します。ワクチン単体では得られにくい効果を引き出すために重要な役割を果たします。今回の共同研究で目指すのは、より効果的な抗体産生を誘導する新たなアジュバントの開発です。

抗体誘導ペプチドの特性

ファンペップが手掛ける抗体誘導ペプチドは、患者の体内で標的となるタンパク質に対して抗体を生成することを目的としたペプチド治療ワクチンです。ファンペップは、機能性ペプチド「AJP001」などを活用し、さまざまな標的タンパク質に対応する抗体誘導ペプチドの候補化合物を創出するための技術力を持っています。この技術により、研究開発の強化を図り、新たな治療法を模索しています。

共同研究の目的

今回の共同研究の目標は、塩野義製薬の豊富なワクチン開発の経験とアジュバント技術のノウハウを活かし、有効性、安全性、利便性に優れた新しい抗体誘導ペプチドのアジュバントを見つけ出すことです。具体的には、塩野義製薬が新しいアジュバントの製剤検討を進め、その一方でファンペップが動物試験による薬効評価や安全性評価を行う予定です。これにより、より信頼性の高いワクチン開発を目指しています。

後続の期待

この共同研究が成功すれば、既存のワクチン開発においてさまざまな疾病への対応に加え、健康安全を守る新たな治療選択肢を提供する可能性があります。特に、病気予防の観点から抗体誘導ペプチドの効果的な提示が期待され、多くの患者に恩恵をもたらすことが見込まれています。ファンペップと塩野義製薬の共闘によって、今後どのような展開が待っているのか、業界からの関心が高まっています。