2024年度連結決算、航空需要回復とともに好調な業績へ

2024年度の連結決算が発表され、業界関係者や投資家の間で注目を集めています。今年度の航空業界は、コロナ禍からの回復を経て、いよいよ成長ステージに突入したことが示されています。具体的には、航空旅客数が2019年度以来5期ぶりに4,000万人を突破し、特に国際線では初めて2,000万人を超えた結果が出ました。この背景には、旅行需要の高まりと国際的な移動規制の緩和があります。また、航空貨物量も前年を12カ月連続で上回っており、全体的な業績の改善が見受けられます。

業績の数字に目を向けると、営業収益は2,637億円となり、4期連続の増収を達成。営業利益は422億円、親会社株主に帰属する当期純利益も351億円に達し、前年度と比べ大きな増加を記録しました。これに対し、営業費用はやや増加しましたが、コストマネジメントを徹底し、効率的な運営が功を奏したといえるでしょう。

一方、2025年度に関しては、増収が見込まれるものの、コストの高騰や老朽化した設備の修繕に伴い、営業利益や純利益が減少する見通しが示されています。国際線の需要は引き続き強いと言われるものの、特に国内線においては、冬ダイヤに伴う減便が影響し、2024年度をやや下回る予想も出ています。しかし、全体的な航空取扱量は2024年度を上回る見込みです。

具体的なセグメント別に見てみると、空港運営事業は国際線の発着回数が増加したことから、使用料収入が大幅に増加し、営業損失は91億円に留まっています。リテール事業も国際線旅客の増加や円安効果から好調で、営業収益が1,235億円を記録しました。施設貸付事業や鉄道事業は、利益が微増にとどまるものの、大きな変化は見られませんでした。

財務状況に関しては、資産合計が前期比13.6%増と増加したものの、自己資本比率は19.3%とわずかに減少しました。キャッシュ・フローでは、597億円のフリー・キャッシュ・フローを記録していますが、前期比で大きな改善が見られます。このように、入出金の状況が改善され、安定した財務基盤が築かれていることが確認できます。

結論として、2024年度の決算は、航空業界の復調を裏付けるものであり、逆風にさらされながらも堅実な成長を遂げていることが分かります。今後の業界環境や経済動向によって業績が変動する可能性もありますが、引き続きコストマネジメントに努めながら、目標達成と利益拡大を目指していく方針が示されています。この先の展望に、業界関係者の期待が高まります。