リッジアイ、AI技術で山地災害の解析を加速する新プロジェクト始動
リッジアイが山地災害判読事業でAI活用
株式会社Ridge-i(リッジアイ)は、林野庁が実施する「地球観測衛星データを活用した山地災害判読事業」に採択され、新たなプロジェクトに着手しました。このプロジェクトでは、AI及びディープラーニング技術を活用し、地球観測衛星のデータから山地で発生する災害に関する情報を迅速かつ高精度に解析していくことを目指します。
日本では毎年、数多くの山地災害が発生し、その対策と迅速な情報提供が求められています。これまでは、JAXAが主導する形で地球観測衛星を用いた災害状況の解析が行われてきましたが、令和7年度以降、ユーザーが主体となった解析体制への移行が計画されています。また、新しく運用を開始する先進レーダ衛星(ALOS-4)は、従来のALOS-2に比べて観測幅が大きく、より広範囲にわたってデータ収集が可能です。この新衛星のデータを活用し、リッジアイはAIモデルを開発していく予定です。
プロジェクトの主な内容
リッジアイが取り組むプログラムの具体的な内容は以下の通りです:
1. 解析手法の検証
JAXAの「防災インターフェース」を活用し、さまざまな山地災害に関する教師データや評価データを選定します。独自に開発した衛星画像解析プラットフォーム「Ridge SAT Image Analyzer(RSIA)」を使用してAIモデルを構築し、効果的な解析を行います。RSIAは、複数のデータ形式に対応し、専門知識がなくても衛星画像の判読作業を実施できる特長を持っています。さらに、生成したAIモデルの性能を評価し、改善点を抽出していくことで、実運用に役立つ知見を得ることが期待されています。
2. ALOS-4の特長を生かした利活用
新衛星ALOS-4は、観測幅が約50kmから約200kmに拡大するため、より広範囲の災害状況を効果的に把握できます。リッジアイは、この特長を活かしてALOS-2との比較検証を行い、具体的には大規模な土砂移動の解析手法、SAR画像と光学画像の互換性検証、及び山地災害判読業務への応用検証を進めていきます。
このプロジェクトにより、AIを用いた山地災害の解析技術が標準化され、情報提供のスピードが向上することが期待されています。リッジアイは、林野庁やJAXAとの連携を強化し、令和7年度の実運用に向けた準備を進めていく方針です。
リッジアイについて
リッジアイは、2016年に設立されたテックイノベーションファームで、AI・ディープラーニング技術を用いて様々な社会課題を解決するための取り組みを行っています。特に、画像解析や異常検知に強みを持ち、マルチモーダルAIを活用したソリューションを提供しています。近年、SDGsに関連する課題への取り組みが評価され、宇宙開発利用大賞を受賞するなど、その活動は高く評価されています。リッジアイは今後も、社会に持続可能な成果を届けるために、技術とビジネスの融合を追求していきます。
会社情報
- 会社名
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株式会社Ridge-i
- 住所
- 東京都千代田区大手町1−6−1大手町ビル 438
- 電話番号
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