注意喚起:国際ロマンス詐欺の手口と対策について
国際ロマンス詐欺の実態と対策
近年、国際的な結びつきを深める中で「国際ロマンス詐欺」という言葉を耳にする機会が増えています。これは、恋愛感情や親密感を利用して金銭をだまし取る詐欺の一種で、特にSNSやマッチングアプリを通じて広がりを見せています。そのため、海外への渡航や滞在を検討する多くの方々は、その危険性を理解し、十分な注意を払う必要があります。
国際ロマンス詐欺の手口
ロマンス詐欺の手口は多様化しており、主に以下のような特徴があります。まず、詐欺師は信頼を得るために、架空の身分を語ります。たとえば、イエメンやシリア等の紛争地域で医療関係の仕事や国連での職務に従事しているといった嘘をつき、「あなたと一緒に暮らすためにお金が必要」などとお金を送金させるよう仕向けます。また、最近の手口では、タイ・ミャンマー国境付近の特殊詐欺拠点からの脱出費用を要求するケースも報告されています。
詐欺師は、仲良くなった後に恋愛感情や同情心を巧みに操り、さまざまな理由で金銭を要求してきます。たとえば、結婚資金や海外旅行に必要な渡航費、家族の治療費、さらには難病の家族のための支援を名目に送金を促されることがあるのです。
警戒すべきサイン
詐欺のリスクを減少させるためには、以下のような点に注意が必要です。1. 一度も直接会ったことがない相手から金銭に関する話が出た場合は必ず警戒しましょう。特に、急いで資金援助を求めるような場合は注意が必要です。2. SNS上の友人や知人の写真が文脈に合わない場合、その人が偽物である可能性があります。実際に会ったことがない相手とのやりとりには注意しましょう。3. 情報が不明確な場合や、何かを振り込む前に相談した方が良いと感じる場面があれば、信頼できる人や警察、さらには現地の大使館に相談することをお勧めします。
具体的な対策
外務省は、海外に渡航する日本人に対し、ロマンス詐欺の危険性を喚起する情報を定期的に発信しています。「海外安全ホームページ」を通じて、国・地域別の安全情報を提供しています。渡航を予定している人々は、出発前に必ずこれらの情報を確認し、安全対策を講じることが大切です。加えて、SNS型ロマンス詐欺に関する具体的な情報が提供されている警察庁の関連ページも参考にすると良いでしょう。
また、海外でのトラブルを避けるために、予め必要な連絡先をメモしておくことも重要です。現地の日本大使館や領事館の連絡先を把握し、万が一の時に備えておくことが大切です。
まとめ
国際ロマンス詐欺は、身近に潜む危険でありながら、気付かないうちに被害に遭ってしまうことも多いです。情報をしっかり把握し、冷静に行動することで、金銭的な被害を回避することができるでしょう。詐欺に惑わされず、安全に海外の生活を楽しむための準備をしましょう。
文責: 外務省 こちらの記事は、外務省が提供する最新の広域情報に基づいています。