日立産業制御が初めて提供するARXML作成エンジニアリングサービスについて

日立産業制御が提案する新たなオートサー開発サービス

2025年9月17日、日立産業制御ソリューションズがビッグニュースを発表しました。それは、ベクターのデジタルエンジニアリングプラットフォーム「PREEvision」を活用したARXML作成エンジニアリングサービスを国内で初めて提供するというものです。このサービスは、自動車産業の未来を見据えた、新たなソフトウェア定義車（SDV）の開発を加速させる枠組みとなります。

SDVとAUTOSAR規格の重要性

autosar（オートサー）は、車載ソフトウェアの標準化を目的とした国際的な開発規格です。これにより、自動車メーカーや供給業者が共通のフォーマットでシステムを設計・開発できるようになり、業界全体の効率性が向上します。SDVの出現により、車両の機能や性能がソフトウェアによって定義され、従来の自動車産業は大きな変革の局面を迎えています。その変革においては、AUTOSARに準拠することが欠かせないのです。

日立産業制御の取り組み

日立産業制御ソリューションズは、この複雑化するE/Eシステム開発において、完成車メーカーおよびサプライヤーが共通のデータ形式で協力しやすくするための仕組みを構築しています。特に「ティア0.5」と呼ばれる新しいビジネスモデルを導入することにより、彼らはSDV開発におけるAUTOSAR準拠を推進し、両者の協力体制のさらなる強化を目指しています。

日立産業制御は、ベクターの認定資格を国内で初めてダブル取得し、この分野に特化した専門知識と実務経験を背景に、新たなARXML作成エンジニアリングサービスを導入しました。このサービスを通じて、開発工数を30%から50%削減することが可能とされており、これにより、完成車メーカーは新型車両の開発を短期間で行えるようになります。

サービスの具体的な利点

ARXML作成エンジニアリングサービスは、日立産業制御が提供するフルサポートのもと、AUTOSAR Methodologyに基づいてARXML形式の開発を視覚的に行うことが出来ます。このサービスを活用することで、完成車メーカーとサプライヤー間で効率的にデータを共有し、再利用性の向上や要件定義から開発・テストまでの業務を一元化することができます。これにより、開発のコスト削減と品質向上が期待されます。

今後、日立産業制御はこのサービスを通じて国内外の完成車メーカーおよびサプライヤーとの関係を強化し、新たなビジネスの機会を開拓していく計画です。特に2028年までに売上を16億円にすることを目指し、SDV関連の他のソリューションとも連携を図りながら、多方面での効率化を進めていきます。

最後に

日立産業制御ソリューションズのARXML作成エンジニアリングサービスは、自動車業界の標準化と効率化を実現するための重要なステップと言えるでしょう。新たな技術がもたらす変革に対応し、競争力を維持し続けるためには、AUTOSAR準拠を視野に入れた取り組みがますます重要になってきます。

日立産業制御は、これからも自動車産業の進化を支えるために全力を尽くしていくことでしょう。