投資家のインフラ重視
2025-09-10 15:19:09

インフラ投資の重要性が増す中、機関投資家が目指す新たなリスク管理戦略とは

インフラ投資の重要性が増す中、機関投資家が目指す新たなリスク管理戦略とは



最近発表されたIFMインベスターズの「プライベートマーケット700(PM700)」2025年度版によると、世界中の機関投資家たちがインフラ投資に対する関心を高めていることが明らかになりました。この調査では、地政学的なリスクやマクロ経済の不安定性が影響し、今後5年間でインフラへの資産配分が20%増加する見込みです。

インフラ投資の利点


インフラ投資は、特に不確実な時代において、投資家の重要なリスク管理手法として浮上しています。調査によると、現段階でインフラ資産への配分を行う投資家が49%にのぼり、2030年には60%に達すると予想されています。この増加の背景には、リターンをもたらすだけでなく、インフレヘッジやポートフォリオの分散効果を期待する声が多く見られます。

IFMの最新データによると、なんと47%の投資家がインフラへの投資を選ぶ理由として、リスク管理のための分散効果やレジリエンスを挙げています。

プライベート・エクイティとのリターンの差


近年、インフラ投資のリターンを受けた報告も増えており、57%の投資家はインフラ・エクイティのリターンが期待を上回ったと回答しています。インフラ・デット投資でも同様に49%が優れたパフォーマンスを報告しており、これによりインフラ投資の魅力度が増しています。

期待されるインフラ・エクイティのネットリターンは、現在13.4%で、2024年には200ベーシスポイント上昇する見込みです。実はこの数値は、プライベート・エクイティの期待リターン(13.65%)に近い水準となっています。

地域別の投資傾向


地域によるインフラ投資の異なる傾向も興味深いです。アジア太平洋(APAC)地域は、インフラ投資の配分比率が56%に達し、今後3~5年で67%に引き上げる計画を持っています。特にオーストラリアの投資家は、極めて高い割合(65%)でインフラ投資を行うと見込まれています。

北米では、今後12か月以内にインフラ投資を行う投資家が49%、今後3~5年で61%に達することが期待されています。さらには、ヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)地域でも同様の傾向があり、投資の意欲が徐々に高まっています。

持続可能な成長に向けて


このようにインフラ投資の重要性が注目される中、さらに重要視されているのが政策的なサポートです。投資可能なプロジェクト供給の増加を促進するための規制や政策は特に求められていて、回答者の60%は、よりリスク・リターンの高い案件がインフラ分野への資本流入を後押しすると考えています。

IFMの最高戦略責任者であるルバ・ニクリナは、地政学的なショックやマクロ経済の不確実性に対する懸念が投資戦略の見直しを促していると述べています。また、彼は「インフラ投資は株式と同等のリターンを低いボラティリティで実現できる可能性がある」と強調しています。

まとめ


IFMインベスターズの2025年版「プライベートマーケット700」の調査結果は、これからの企業や投資家がどのようにリスクに対処し、持続可能な成長を目指していくのかを示唆しています。投資家にとってインフラは、将来の不確実性に対する有力な対策の一つとして位置づけられています。今後の動向に、ますます注目が集まることでしょう。


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会社情報

会社名
IFMインベスターズ・ジャパン・ピーティーワイ・リミテッド
住所
東京都千代田区丸の内2-3-2郵船ビル 4階
電話番号
03-3216-7670

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